2005-01-01から1年間の記事一覧
私はアグリアス、薔薇のように美しい女騎士だ。などと思っていたら野営地で野薔薇発見。 この上品な香りがたまらん。ムスタディオやマラークのような下賎にはこの美しさは分かるまい。 だが貴族のラムザなら私同様分かるだろう。よし、持って行こう。ブチッ…
寒風が吹く真冬の中、私は街道脇の川原で水を飲んでいた。 のどが凍るような冷たさに身体を震わせながらも、次の街まで水が補給出来ないのだから我慢するしかない。 水筒の変わりになるような物は持っていないが、半日ほどで街に着くし何とかなるだろうと考…
「大丈夫よアグリアス、私が見守っていてあげるから」 少女は微笑を浮かべて言った。 「アグリアス・オークス殿。閣下がお目通りになります。どうぞお入りください」 「はっ」 案内をした侍女に丁重に頭を下げ、金髪を短く纏めた男装の麗人は館の主の待つ執…
貿易都市ドーターから汽車でファルメリア高地を北に越えること約4時間、ルザリア。 旧くから畏国の王都であり、王都の名に相応しい華麗な大宮殿が中央にそびえ立つ。 『十二支宮物語』では異端者ラムザが審問官ザルモゥと戦いを繰り広げた地でもある。 五十…
莫大な富と社会的ステータスを兼ね備えた名家の子のみが入学を 許される、人々の羨望の的、某超有名学校の一室から。 「…アグリアス君。君の専攻は…確か剣術、だったかな?」 香り高い紅茶をゆったりと口に運ぶのは、魔法学の教授・レックスである。 「はい…
行軍中、モンスターの手に阻まれ、ラムザ達は目的の町に辿り着けずにいた。 とうに日は暮れ、これ以上進むことは困難となり、夜営をすることになる一行。 簡単な食事を済ませ、各々くつろぐ。 ふいに、アグリアスは立ち上がり、こう言った。 「今夜は私が見…
二人の出会いはアカデミーでの訓練だった。 アグリアスがまだ士官候補生の頃、ザルバッグは実戦訓練の非常勤教官としてアカデミーにやってきたのだった。 すでに北天騎士団の一部隊長を任されていたザルバッグは、将来自分の部下になるであろう若き士官候補…
アグリアスの機嫌が悪い。 まぁ、たまにある事だ。原因は不明だが、すぐに機嫌はよくなるはず。そう考えて、なるべく触れないよう皆で行動。 町について買い物をし一晩泊まってから仕事を求めて再び出発。 アグリアスの機嫌は良い。 寧ろ上機嫌である。戦闘…
冬は寒い。当たり前である。ていうか基本だ。寒くなければ冬とは言わないだろう。 寒いとなると水はとても冷たく川の水はひんやりどころか突っ込んだ手が凍る程に冷たい。 体ごと突っ込めば相当な寒さだが身が引き締まる事間違いない。所謂寒中水泳である。 …
ツィゴリス特別女子収容所。その名を聞いて震え上がらない者はない。 どこまでも鬱々と広がる有毒湿地帯のただ中に立つ、分厚い壁に囲まれたこの無愛想な 建物は、一名を最終監獄という。その門をくぐった女が、生きてふたたび出てくることはない。 終身刑か…
アグ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、う、くっ」 どことも分からぬ小部屋、彼女は両手首を鎖に繋がれ、その身をよじりながら耐え続けていた。 声はか細く、絶え絶えとしか聞こえず、額には大粒の汗が浮き出ていた。 アグ「ふ・・・ふぅっ、あ・・・もう、…
〜遠吠えは満月に響く編〜 深夜。宿の一室に集う三人の男がいた。 ムスタ「アグリアスに動物の格好をさせたら何が一番似合うか談義しようと思う」 ラッド「異議無し」 ムスタ「アニマルコスプレといったらやはり耳は外せないと思う。という訳で今日のお題は…
「今までについた嘘? あまり記憶にないよ」 「ほらやっぱり。ラムザ隊長は嘘をつかないと思うって言ったでしょ?」 アリシアが両手を腰にあててふんぞりかえりつつ、ムスタディオに振り返った。 「そうかぁ? 病気だって嘘ついて学校休むとか、普通だろう?…
前編: 旅の途中、ウォージリスに立ち寄ったラムザ達。 夏真っ盛りの暑さにへこたれながら、宿屋でグッダグダと休養している。 ……が、暑い。宿屋は暑い。夏の陽射しがが窓からギラギラギラギラギラギラギラギラ……。 黒魔にジョブチェンジしてブリザドを使う…
とんとん。 「どなたか」 アグリアスが見向きもせず無愛想に答えると、なんの挨拶もなしにドアが開いた。 「はぁい」 とある宿屋の一室。酒も入り夜もふけて、いよいよ就寝だというそのときに、自分の部屋に現れた思わぬ珍客。 冷静を装うアグリアスだったが…
アグリアス・オークス、元聖ルザリア近衛騎士団所属。 極上の美と特上の才に恵まれた23歳。 …そんな「ラムザ隊のヴィーナス」、アグリアス・オークスに関して… 一つ、ラムザ隊男性陣の一部で議論になってることがあった。 ラッドが主張する。 「巨乳だよ!…
昨日は雨、陰鬱な一日だった。 今日は快晴、雨で洗浄された朝の空気が爽やかだ。 こんな日は爽やかに朝の挨拶を交わそうと、顔を洗いながら思った。 「チィーッス」 廊下を歩いているとマラークが眠たそうな声で声をかけてきた。爽やかな朝の挨拶としては赤…
私の名はアグリアス・オークス。聖戦を終え安息の日々を取り戻した騎士だ。 ああ、朝日が眩しい。今日はいい天気だ。窓を開けると爽やかな朝の空気が流れ込んでくる。 ベッドの中のラヴィアンとアリシアが震えているけど、気にしない。 さぁて、それじゃ朝練…
ルザリア北部に広がるユーグォの森は、五十年戦争以来、死霊の徘徊する魔所として 知られている。猟師もめったに立ち入らず、近隣の農民が薪を取るために、時折おっかな びっくり森の入口付近をうろつく程度で、街道を通る旅人も少ない。 森の北側には急峻な…
私の名はアグリアス・オークス。来るべき聖戦に備えて入念な準備をしている騎士だ。 手作りチョコレートを用意するためカカオを探して一週間ほど暇をもらったのだが、一向に良質のカカオが手に入らない。 いつの間にか秘境を三つほど発見してしまった、今は…
巨蟹の月 十日 ムスタディオくんが「電話」なるものを発掘しました・・・ ムス「つうわけで、俺が思うにこいつは遠くの相手と話ができる代物みたいなんだ」 ラム「?? よくわからないけど、デンワ?だっけ、どうやってつかうのコレ?」 ムス「簡単だ、誰か…
嫌な夢を見た。内容は覚えてないが、ろくな夢でなかったのは確かだ。 身体中汗だくで、服がねっとりとからみついて気色悪い。にもかかわらず、とても寒い。 ガタガタと振動を感じるのは、どうやら馬車の中らしい。目を開けると、側にアリシアがいた。 「あ、…
1、2、3、4…………汚い壁だ。 ライオネル城。あてがわれた部屋でぼんやりと椅子にもたれながら、私は古びた石壁の染みを数えていた。 毎日が穏やかに過ぎていた。あまりにも平和な生活。自分の務めを忘れてしまいそうになるほど。 オヴェリア=アトカーシャ…
「…こんな不公平な話が赦されると思う? あなたの全てを凌駕するこの私を差し置いて スレの女神になり続けて。…もう我慢できない。あなたを殺して私が主役を担ってあげる」 眼前に立ち阻むはレーゼ。その目にはアグリアスを灼き尽くさんばかりの憤怒がはっき…