名無し

氏作。Part37スレより。

金牛の25日。 皮肉なまでに蒼い晴天。流れる雲は心なしか早足だった。 戦争は終わったのだ。このイヴァリースの地に深いつめあとを残した、長きに渡る獅子戦争の終結は、 多くの人々に笑顔を取り戻させ、安寧の平和の日々へと歩ませている。 教皇フューネラ…

氏作。Part36スレより。

バリアスの谷でアグリアスからもたらされた情報を元に、オヴェリアを救出に向かうための 準備を整える為に、 一旦ウォージリスに戻ったラムザ一行。 物資の調達を終えて、英気を養う為に各々宿へ向かう者や酒場へ向かう者がいるなかで、 合流を果たしたばか…

氏作。Part32スレより。

「ラムザ! 一緒に『共同戦線』やろうではないか!」 「えー、もう1時ですよ? それに明日も早―― あ、あぐりあす、さん?」 「……そうだな。貴公は私なんかと遊んでていい男ではないよな。 うん、そうだよな。一人で舞い上がって、私は馬鹿みたいだ…」 「い、い…

氏作。Part30スレより。

・ ・ ラム「明けましておめでとうございます、アグリアスさん」 アグ「フンフーン♪フフフンフーン♪フルルンフンルンルルルルルルン♪ …ハッ!!」 ラム「年の初めからまた、わかりやすいぐらいの浮かれっぷりですね」 アグ「おやっ、これはこれはラムザじゃないか!あけましておめでとう!」…

氏作。Part29スレより。

ラムザのアホ毛がピョコンと跳ねた。こういう時は、彼の視線を追うと大抵……居た。 育ちの良さそうな町娘、貿易都市ウォージリスらしく、彼女の髪飾りにはどこかしら異国情緒を感じ、 そしてそれがまた似合っている。 線の細い、けれど良く通る、綺麗な声を出…

氏作。Part29スレより。

異端者ラムザ・ベオルブには多額の懸賞金が掛けられている。当然、その首を狙う輩も多い。 今日も今日とて、彼等のキャンプには賞金稼ぎがやってくる。その命、直ぐに散らす事になるとも知らずに。 シドルファス・オルランドゥ、雷神シドと恐れられたのは過…

氏作。Part28スレより。

刹那の隙を見逃さず (闘いの旋律) 両者秘剣を突き撃ちぬ 直後四間(しけん)に駆け違い 互いに肩より血潮吹く アグリア残心気を抜かず ラヴィエル霊帝牽制す 回復呪文はアリシエル 三位(さんみ)一体の連携ぞ! (戦闘開始からここまで、散発的に客席から…

氏作。Part28スレより。

「デュライ白書」第11章 「ゾディアック・ソルジャーズ」との対照 −−−−−−「河の流れは支流が集まって海でひとつとなるが、真実の流れはその逆である。」−−−−−−ウイユヴェール訳注より 現在のイヴァリースでは余り知られていないが、オルダリーア(以下鴎国…

氏作。Part28スレより。

『それは、私の若き日のとびきりに素晴らしい思ひ出の一つである。私と友人の ヘツケナアとはその日、オオヴエルニユの女子修道院の客となつてゐた。 もちろん、この修道院の当時の評判から想像されるやうに、尼僧相手に やましひ事を働く為にそこに行つたの…

氏作。Part28スレより。

「…魔の手の者?全てを滅する天使?気が触れたか」 「…それで教権に背き、神聖なる教理を捨てたのか?」 「素直に降っていれば人の裁きだけで済んだものを…教会に背くとは…度し難い」 みんな、今、どうしているのだろう?捕らえられたのは僕だけなのか? 『…

氏作。Part27スレより。

−Little Gift− 時間を持て余し、思慮深げに考え込むその騎士は、とうに初老を迎えて久しいものの、 その肉体は未だ衰えを知らず、周りの者をも寄せ付けぬ近寄り難い程の荘厳なオーラを放っていた。 しかしながら、今はそれが逆に邪魔なのだと云わんばかりに…

氏作。Part22スレより。

異端者一行の旅は過酷なものであった。いかに戦力が充実していったとしても、その道中は ルカヴィのみならず、教会の尖兵や野生のモンスターの脅威にさらされている。 貿易都市ザーギドスへ向かう途中のフィナス河にて、この日も一行は赤チョコボをはじめと…

氏作。Part22スレより。

「ぬう……どうにも良いものが見当たらないな」 通りに並ぶ店を覗き込みながら、唸るように呟くアグリアスさん。 いつもの騒がしい取り巻き二人組も遠ざけて、今日は一人で買い物のようです。 それもそのはず、今日ばかりはあの口の軽い二人についてこられては…

氏作。Part22スレより。

「ラムザって素敵ですよね」 アリシアがアグリアスに言った。 ラヴィアンもうんうんと頷く。アグリアスの視線は宙を彷徨う。 「さ・・さあ。どうだろうな」 「やだぁ、隊長もそう思ってるくせに」 「べ・・別に、お・・思ってない」 戦いの旅路。戦士たちも…

氏作。Part20スレより。

−1− 「なあラムザ、私の事をどう思う?」 「ぶほっ!」 突然の言葉に僕は飲んでいたミルクを噴き出してしまった。 「えっと、それは…どういう意味でしょうか?」 「どういう意味も何も、そのままの意味だ。おかしな事を聞くな」 ああこの人は天然なんだな、…

氏作。Part20スレより。

「一つ、聞いてもいいか?」 「なんですか?」 「なぜ、私にもオーボンヌ修道院に行ってほしいいのだ?」 「オーボンヌでの戦いが僕らの最後の戦いになるでしょう。 そしてこの戦いこそがイヴァリースの未来を決めるからです。 それなのにアグリアスさんは迷…

氏作。Part20スレより。

「アグリアスさん」 耐えきれなくなった僕は彼女を押し倒す。ほろ酔いの彼女はとてつもなく魅力的で僕の理性 はあっという間に融けて無くなっていた。 「こら、ラムザ。いきなり何をする」 アグリアスさんはそう言いながらもくすくすと笑っている。 こんな時…

氏作。Part19スレより。

貿易都市ドーターから汽車でファルメリア高地を北に越えること約4時間、ルザリア。 旧くから畏国の王都であり、王都の名に相応しい華麗な大宮殿が中央にそびえ立つ。 『十二支宮物語』では異端者ラムザが審問官ザルモゥと戦いを繰り広げた地でもある。 五十…

氏作。Part19スレより。

莫大な富と社会的ステータスを兼ね備えた名家の子のみが入学を 許される、人々の羨望の的、某超有名学校の一室から。 「…アグリアス君。君の専攻は…確か剣術、だったかな?」 香り高い紅茶をゆったりと口に運ぶのは、魔法学の教授・レックスである。 「はい…

氏作。Part18スレより。

アグ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、う、くっ」 どことも分からぬ小部屋、彼女は両手首を鎖に繋がれ、その身をよじりながら耐え続けていた。 声はか細く、絶え絶えとしか聞こえず、額には大粒の汗が浮き出ていた。 アグ「ふ・・・ふぅっ、あ・・・もう、…

氏作。Part17スレより。

アグリアス・オークス、元聖ルザリア近衛騎士団所属。 極上の美と特上の才に恵まれた23歳。 …そんな「ラムザ隊のヴィーナス」、アグリアス・オークスに関して… 一つ、ラムザ隊男性陣の一部で議論になってることがあった。 ラッドが主張する。 「巨乳だよ!…

氏作。Part16スレより。

「ラムザ!」 駄目だ、駄目だ、駄目だ――! 心の中で叫ぶ。だけどそれでは敵は決して止まってくれないのだ。 弓の弦が引き絞られて――放たれる。どうか、間に合って――! 「がっ」 矢を胸に突き刺した彼は、妙な声を出して、地面に転がった。とても滑稽な姿に見…

氏作。Part16スレより。

ここ数日で我々の状況は一変した。 始めはラムザがザルバック殿を説得すると言ってルザリアに行き、失敗した。これについてはしょうがない。 なにしろ相手は私がラムザと行動を共にする前に手本としていたほどの人だ。まあ、その、職務に忠実な方なのだ。 そ…

氏作。Part16スレより。

チュンチュンと小鳥が森の朝を告げて、テントに空いた穴からうっすら朝焼けが見えます。 おはようございます皆さん、エレーヌです。でもまだ眠いので、おやすみなさい。 「エレーヌ、起きろっ!」 「ひぃぃッ」 バサッと私の毛布をひっぺがすのはアグリアス…

氏作。Part16スレより。

チャージタイムも消費MPもなく、遠距離攻撃のできる便利で 強力な聖剣技を操るアグリアス。 姫の護衛としてラムザ一行に同行していた彼女だが 騎士道精神に溢れ、敵をなぎ倒し、しかも美しいアグリアスは パーティ内でも男女問わず人気があった。 しかしそん…

氏作。Part15スレより。

「情勢は複雑だ。王妃と白獅子公の動きも活発になってきている」 「不測の事態にも迅速に対処出来る者でなければ務まりますまい」 「修道院から切り離れての少人数の護衛行に移行した場合も考えると、 厳しい状況だ、王女と親密な関係を築ける人間が望ましい…

氏作。Part14スレより。

「武士道は一朝夕で修めるような類のものではない。どうも西方の国の人間は性急らしい」 大分草臥れた一振りを横の小岩に立て掛け、振り返る。 「実戦には事欠かない現世では、と少々高を括っていたのですが」 夕暮れの平原。逆光で顔は見えない。然し声と立…

氏作。Part14スレより。

「助けて・・・殺さないで・・・」 「・・・恨むなら自分か神様にしてくれ」 ラムザは目の前の光景をありえないもののように見つめていた。 南天騎士団が堅固に防衛するドグーラ峠の突破ポイントを探していた一行は、 とある崖そばで運悪く北天騎士団の斥候…

氏作。【FF】SSで楽しみましょ〜【総合】 より。

ある所に果てしない遠回りな恋愛の末、ようやく結ばれた恋人達がいました。 ある時は彼女の部下に「呼んでましたよ。あっちの方で」と言われて行ってみれば水浴び中で聖剣技を喰らったり。 またある時は機工士の親友に「これやるから勉強しとけ」ともらった…

氏作。Part12スレより。

「起床ぉー!起床ぉー!」 朝を告げる声が寮内に響き渡る。アグリアスはほとんど反射的に目を覚ました。 ルザリアの士官学校。貴族の子弟からなる、エリート育成機関である。 「朝…」 寮の規則正しい生活リズムのおかげで目は覚めるものの、体がついていかな…