2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧
金牛の25日。 皮肉なまでに蒼い晴天。流れる雲は心なしか早足だった。 戦争は終わったのだ。このイヴァリースの地に深いつめあとを残した、長きに渡る獅子戦争の終結は、 多くの人々に笑顔を取り戻させ、安寧の平和の日々へと歩ませている。 教皇フューネラ…
「暑いな」 初夏。太陽の季節。 頭上で猛威を振るう丸顔を、ラッドは忌々しそうに手で遮った。 「暑いね」 彼の呟きに同調したアリシアも、やはり同じように手を額に掲げている。 「疲れた?」 「ううん…」 ラッドが気遣うと、アリシアは笑顔で首を振った。…
五人がバリアスの谷の外れにある、粗末な木賃宿に落ち着いた時には、 日もすでに暮れかかっていた。 「あー、疲れた。アグリアスさん、なんかメシ作ってくれよ」 ブーツを脱ぎ捨て、ベッドに体を投げ出すようにしてムスタディオがうめく。 ウォージリスで待…
「あの、アグリアスさんはこの戦いが終わったらどうするつもりですか?」 先ほどまでの熱い情事の余韻を残した甘ったるい空気が残る中、突然ラムザに聞かれ、 私は何も漠然としたヴィジョンを持っていなかったことに改めて気づかされた・・・。 「そうね・・・特に…
オーボンヌ修道院・・・歴史の表では決して語られない真の英雄が最後に戦った舞台。 久方ぶりの晴天に修道女達は沢山の洗濯物を干している。 そんな中、一人の年取った修道女がゆっくりと建物から出てきた。 それに気がついた一人の修道女は急いで彼女の元に駆…
神殿騎士団との決戦は熾烈を極めた。 戦闘に参加したものは持てる力を遺憾なく発揮しあい、まさに剣技と剣技、魔法と魔法のぶつかり合いとなった。 しかし、戦闘において最も大切なファクターの一つが最後に戦ってからどれだけ時間が経ったかである。 戦いの…
もうすぐ最後の決戦場となるオーボンヌ修道院への突入に備え、 ラムザは最も近い町、貿易都市ドーターのなじみの酒場でにて英気を養おうと宴を催した。 (もうすぐ長く苦しかった戦いが終わり、自分達の努力が実る!) そう願ってか思ってか隊員の中からはハ…