氏作。Part18スレより。


アグ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・、う、くっ」

どことも分からぬ小部屋、彼女は両手首を鎖に繋がれ、その身をよじりながら耐え続けていた。
声はか細く、絶え絶えとしか聞こえず、額には大粒の汗が浮き出ていた。

アグ「ふ・・・ふぅっ、あ・・・もう、ダメだ・・・許して・・・くれ」
ラム「何言っているんですかアグリアスさん。『オシオキ』はまだ始まったばかりですよ?」

限界を迎え許しを乞う声は、しかし、彼女の目の前に立つ青年には届かなかった。
まるで少女のような愛らしい顔をした青年は、その顔にはひどくアンバランスな嘲笑を浮かべる。
それは彼女の恐怖心を引き出すには十分すぎるものだった。

アグ「や、イヤ・・・イヤぁ・・・」
ラム「どうしたんですか、アグリアスさん?もしかして触りたいんですか?
   ・・・ふふ、でもおあずけです。これは『オシオキ』なんですから」
アグ「ラムザ、よせ、近づけないでくれ・・・頭がおかしくなりそうだ・・・ッ」
ラム「へぇ。効果抜群ですね、意外だな。」

青年は彼女の拒絶を意にも介さず、ソレを彼女の目の前まで近づける。
思わず彼女は目をそむけようとするが、自身の欲望に打ち勝つことはできなかった。



アグ「あ・・う・・動いてる・・・」
ラム「どうです?可愛いでしょう」

アグリアスはソレに触れようとするが、叶わない。何故なら彼女の手は、今一切の自由が許されない。
湧き上がる欲望と、それを押さえ込もうとする葛藤に、彼女の目は光を失いかけていた。
虚ろな瞳は、それでもなお、ただ一点を凝視していた。
あまりの切なさに涙さえ浮かんでいた。普段の気丈な彼女を知るものなら、とても考えられない光景。

アグ「あぐ・・・お願い・・・します・・・。許して・・・狂ってしまう・・・ッ」
ラム「ふ、ふふふ、あはははは。本当に可愛いですねアグリアスさんは!」

青年は、気丈な騎士を完璧に屈服させたことから来る達成感に酔いしれ、歓喜の笑い声を上げた。
しかし彼女にはもはやそんな声は届かない。彼女にリアルとして存在するのはただ一つ。






虚ろな瞳に宿る────可愛らしいにゃんこ。




ネコ「なー、なー」
ラム「うふふふふふふふふ」

アグリアスの鼻先で甘ったれた声を出しながら、ラムザに抱えられてでろーんと伸びている一匹の猫。
愛くるしい顔に、ふわふわの毛並み。ああ、それにこの声・・・ッ。
猫なで声とはよく言ったものだ・・・ッ、とアグリアスは心の中で叫ぶ。

アグ「お、お願いだラムザ。もういいだろ?もうそのにゃんこに触ってもいいだろ?」
ラム「ん?別にいいですよ?・・・ほーらほらほらー」
アグ「だあああああああああ!鎖を外せっ、近づけられるだけなんて生き地獄だー!」
ラム「まさか、そんなに猫好きとは思いませんでしたよ!」
アグ「うがーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

ガシャガシャガシャ!
もはや耐え切れなくなって暴れだすアグリアス。しかし鎖はそんなことで切れてはくれない。

アグ「くそっ、この身が自由になったら貴公なぞー!」
ラム「ふふ・・・可愛い可愛い・・・うふふふふふ」
ネコ「なー、なー」

アグ「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

ラム「あははははははははははははははははははははははは!!!」

ネコ「なーなー」



小部屋には怒りに満ちた一人の修羅の声と、ネジが外れてしまった幸せそうな笑い声。
そしてその惨事を気にも止めぬ、ネコの鳴き声だけが響いていた──。




アリシアラムザ隊長・・・本当に楽しそうね・・・」
ラヴィアン「ええ、あんな幸せそうな笑顔を見てるとこっちまで幸せになってくるわ・・・」

小部屋の隅にはサブパイロットだったので罰を逃れた二人の乙女が
体操座りのままどこか遠くを見続けていた。


終われ


えっ四十八手?えっちなのはいけないと思います(*・ω・)