2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

氏作。Part26スレより。

ご記憶の諸子には、感謝の念が絶えない。 私の名はオーラン・デュライ。この学校の庶務課で働くいち公務員である。 先日、誰のタレコミか各教室に仕掛けた監視カメラが一部の者に発見され、 公的訴追は免れたものの、全ての装置は没収・破壊され、 オルラン…

氏作。Part26スレより。

雪山を飛ぶ黒チョコボの上で、想いを込めた瞳が絡み合う。 ホーリーナイト、アグリアス。 竜騎士、アリシア。 かつて同僚であり、仲間であり、今は裏切られた者と裏切った者。 アグリアスの兜が砕け散り、悲痛な表情があらわになる。 アリシアの兜は冷たく輝…

氏作。Part26スレより。

「レーゼ殿、ベイオウーフ殿。ちょっといいか? アグリアスだが」 アグリアスは扉の外から声をかけた。 「どうぞ」 部屋の中からレーゼの声がした。 ここは貿易都市ドーターの宿である。軍資金を稼ぐため、仲間数人が儲け話で隊を 離れており、彼らが戻るま…

氏作。Part26スレより。

豊富な鉱物資源に恵まれたファルメリア高地は、年中、吹雪が吹き荒れる厳しい土地でもある。 炭鉱都市ゴルランドは、今日も銀世界をにぎわせていた。 しかしゴルランドで長く過ごした者なら気づくだろう、街に流れる張り詰めた空気を。 第四話 炭鉱都市ゴル…

氏作。Part25スレより。

強い陽射しよりも、砂の味でアリシアは目を覚ました。 壊れた窓から砂が入ったのだろう、少量の水で口をゆすいで吐き捨てる。 二重の毛布を脱いで鞄に入れ、出発に備えマントを羽織る。 さすがに砂漠で鎧は暑すぎる。脱水症状を起こして意識不明になって砂漠…

氏作。Part25スレより。

ラム「みんな揃ったかい?」 ムス「見りゃわかんだろ。揃ってるよ」 ラム「そうか。いや、他でもないんだけど、隊の経理係のアグリアスさんが みんな顔をそろえてくれって言うんだ」 ラド「ふーん? 何の用だ?」 ラム「いや多分、軍資の積み立て金の催促じ…

アグリアスが死んだ日

[行く人]氏作。Part25スレより。 人の夢と書いて儚いというが、儚いのはむしろ人の命だ。 長い年月を武で積み上げてきても、ちょっとした事ですぐ命を亡くす。 救いがあるとしたら、人は、業を石に託して伝えられるという事。 日和ってものがある。洗濯日和…

氏作。Part25スレより。

「アリシア! 返事をしろ、どこだ!?」 空っぽの部屋でアグリアスは叫ぶ。返事は無く、またアリシアの荷物も無い。 それに気づいた時、アグリアスは今回の出来事の真相の一端を垣間見た。 第二話 ゼクラス砂漠『砂漠の夜の夢』 思考がまとまるより早くラム…

氏作。Part25スレより。

積み重ねはあった。 不安と不満。変動する己の足場がガラス張りのようで、歴史の最先端へ押しやられるように思えて。 尊敬するあの人は強くて、こんな状況でも真っ直ぐで。 だから??。 Chapter3.5 帰する者 帰せぬ者 第一話 貿易都市ドーター『そ…

氏作。Part25スレより。

「助けてください、お願いです、何でもします」 ちいさな手を組み合わせて必死に伏しおがむ、まだあどけなさを残した少女の こめかみに、コンと冷たい音を立てて短剣が突き立った。 声も立てずに少女は倒れ、少女が拝んでいた当の相手――アグリアス・ オーク…

氏作。Part25スレより。

あれからもう三日も経ってしまった。 まだ、ラムザとは会話ひとつできていない。 アパートの自室へと帰り着き、シャワーを浴び、ベッドに入る。居心地が悪い。 普段から愛想のいいほうではないが、その性分に助けられていると思う。 必要以上の会話が出来な…

氏作。Part25スレより。

お初にお目にかかる。 私の名はオーラン・デュライ。この学校の庶務課で働くいち公務員である。 学内の財務管理や書類整理をこなしながら、集会やPTA会議の書記も担当している。 しかし、私には真の使命があった。 それはこの学校で繰り広げられた様々な歴史…

氏作。Part24スレより。

雨は、もはや土砂降りの一歩手前となっていた。 街道を外れた森の中である。足もとは戦闘にはおよそ不向きであった。 おまけにこの雨。森の木々が天然の傘となってくれてはいるが、雨量はその防壁を突破 しつつあった。葉先に集まった水滴が、大きく重たい雨…

氏作。Part25スレより。

「アグ姐、ラムザ起こしてきてくれないか」 アグリアスはそう言われて、不機嫌そうに声の主―――ムスタディオのほうを向いた。 「……なぜ、私が?」 「なんでって……あんたが起こせば、一番寝覚めがいいだろうし」 ムスタディオは意地の悪そうな笑いを浮かべなが…

氏作。Part25スレより。

アグリアス先生が恋をされてるなんて! しかも相手がうちの学校の生徒だなんて! 小説やドラマの中でこそ観てはきたけれど、実際にあるのね、こういうこと! 眼前の、顔を真っ赤にしてちぢこまるアグリアス先生を眺めながら その素敵な緊急事態に私、オヴェ…

氏作。Part25スレより。

「そうに決まってるじゃないか!マラーク君、何を今更!」 ベイオウーフの旦那、と俺達は呼んでいる。 若い新任教諭だからか、そういう事にはとても寛容で、 生徒に理解がある。言ってみればナイスガイという奴だ。 多少、マイペースすぎて付いていけない事…