2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

氏作。Part14スレより。

夕暮れにさしかかり、人気の少ない通りをラムザとアグリアスは二人並んで 歩いていた。手一杯の荷物を持っているせいか、二人とも口数は少ない。街に 駐留する度に行う、物資の補給の帰りなのだ。 隣を歩くラムザの、ぽやんとした横顔を横目で眺めながらアグ…

氏作。Part14スレより。

私の名はアグリアス・オークス。オヴェリア様にお仕えする騎士だ。 いざ最終決戦かと思いきやムスタディオのせいで機工都市ゴーグへ逆戻りだ。面倒くさい。 しかも聖石が関係ある事だというから戻ったというに、珍妙な鉄球にアクエリアスの印があるだけでは…

氏作。Part14スレより。

シドルファス・オルランドゥ伯。通称“雷神シド” 南天騎士団団長にして、 先の五十年戦争ではバルバネスやザルバッグらと共に敵に恐れられた無敗の 将軍。なおかつ、万人に等しく温和な態度で接するダンディな紳士。趣味は 盆栽と昼寝。私のことである。 この…

氏作。Part14スレより。

ある日、ラッドは思った。 「俺って最近、影薄くね?」 以前はラムザの親友というか相棒というか、そういうポジションだった。 なのに今は、ラムザの隣にはムスタディオがいる。ちなみにもう片方の隣はアグリアスが陣取っている。 固有ジョブを持つ仲間がど…

氏作。Part14スレより。

季節が巡った。 それは、思うより長いときだったのか。いや短かったのか。駆け足で過ぎては消えた戦乱の日々。 やがて訪れた春の日差し。戦乱という冬を越えて畏国にやって来た、木漏れ日のような平和。 私は待っていた。人知れずその平和の為に戦った一人の…

氏作。Part14スレより。

ハイ、あたしサンドラ。サンドラ・ラスカリス。 泣く子も羨むアカデミーの士官候補生。だったんだけど、戦争の始めのころに民兵騎士団の 統率なんてむっさい役目に派遣されちゃったのが運の尽き。 骸騎士団、ってあったじゃない? あれの小っちゃいやつ。昨…

氏作。Part14スレより。

「な、なんだ、どうしたんだ?」 「むふふふふ、アグリアス様逃げてもムダですよぉ〜。」 「今日こそは私たちの言う通りにしてもらいますからね!」 「こ、こらっ!よせ、やめろッ!」 「じっとしてくださいよ〜」 「アリシア、足を押さえろ。」 女性部屋中…

氏作。Part14スレより。

「武士道は一朝夕で修めるような類のものではない。どうも西方の国の人間は性急らしい」 大分草臥れた一振りを横の小岩に立て掛け、振り返る。 「実戦には事欠かない現世では、と少々高を括っていたのですが」 夕暮れの平原。逆光で顔は見えない。然し声と立…

氏作。Part14スレより。

深夜。 ザーギドス一を自称する汚らしい宿屋の裏手に設けられた厩へ、足音を忍ばせて 入ってくる者がある。 「レーゼ。レーゼ、元気にしているかい」 答える低い唸り声はドラゴンのもの。つい先日、晴れて異端者一行の一員となった 剣士ベイオウーフと、謎め…

氏作。Part14スレより。

「助けて・・・殺さないで・・・」 「・・・恨むなら自分か神様にしてくれ」 ラムザは目の前の光景をありえないもののように見つめていた。 南天騎士団が堅固に防衛するドグーラ峠の突破ポイントを探していた一行は、 とある崖そばで運悪く北天騎士団の斥候…