2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

氏作。Part16スレより。

アグ 「それでは後のことは頼んだぞ」 ラム 「はい。道中お気をつけて」 小さな手荷物を持ってアグリアスは仲間たちを後に一人で野を進む。 ・ ・ ・ ムス 「……一体どうしまったんだろうな。アグリアスさんは。 『隊を抜けたい』なんて急に言い出して」 ラム…

氏作。Part16スレより。

チャージタイムも消費MPもなく、遠距離攻撃のできる便利で 強力な聖剣技を操るアグリアス。 姫の護衛としてラムザ一行に同行していた彼女だが 騎士道精神に溢れ、敵をなぎ倒し、しかも美しいアグリアスは パーティ内でも男女問わず人気があった。 しかしそん…

氏作。Part15スレより。

イヴァリースの四季は、どれもみな、それぞれに深い味わいを秘めていて、気の遠くなるような年月を 経ても色褪せることのないその美しさを、めぐる度に惜し気もなくわたし達に見せてくれます。 その中でも、わたしのお気に入りはやっぱり春でしょうか。清ら…

氏作。Part15スレより。

「あれっ?」 野営を設置し、荷物を探っていたラムザは間の抜けた声をだした。 「どうした、失せ物か?」聞き付けたアグリアスが声をかける。 「はあ…どうもそのようです」 「よく探してみたのか?」 「ええ…昨日はあったと思ったんですが……おかしいな」 ぶ…

氏作。Part15スレより。

陽が遠く地平線に顔をあらわした頃、アグリアスは静かに目覚めた。見なれた壁の風景。窓辺からは 鳥のさえずりが聴こえる。 ほんの少し寝床に未練を残しながらも、彼女はすぐさま毛布を払う。途端に部屋に立ち篭めていた 冷気が衣服の隙間から入り込み、彼女…

氏作。Part15スレより。

──戦いがあった。長く苦しい、世界の命運を賭けた戦いが。 城塞都市ザランダの宿、そこに人知れず巨悪と戦った勇者がいた。 「フカフカのベッドだぁー」 己の素性を隠しての長旅に疲れたラヴィアンは、真っ白なシーツの上に身を投げ出す。 そのだらしない姿…

氏作。Part15スレより。

「情勢は複雑だ。王妃と白獅子公の動きも活発になってきている」 「不測の事態にも迅速に対処出来る者でなければ務まりますまい」 「修道院から切り離れての少人数の護衛行に移行した場合も考えると、 厳しい状況だ、王女と親密な関係を築ける人間が望ましい…

氏作。Part15スレより。

高い空に、さざなみのように片々たる白雲が浮いている。秋が、日ごとに 深まってゆく。 ルンベリスの宿場町は、グローグの丘のふもと、三筋にわかれた街道のひとつが 西へ伸びてゆく、その少し先にある。 ここからヤードーへは健脚の者なら一日かからぬ道の…

氏作。Part15スレより。

アル「みんなー、夕ご飯できたよぉ」 ラム「わーい。確か今日はアグリアスさんとの合作だっけ?」 アグ「そ、そうだ。ラムザのご家族に気に入っていただけるとよいが」 ラム「アグリアスさんが愛情を込めて作った料理なんだから大丈夫ですよ」 食卓に集合す…

氏作。Part15スレより。

──山の向こうにあるライオネル城が朝靄に隠れている。 城塞都市ザランダの丘の上。そこに、一本の木が生えていた。 金糸の髪を揺らしながら、ガウンを羽織った美女が木の幹を手袋越しに撫でる。 白い朝靄に、白い息が混じる。冷たい朝の空気が彼女の肺を満た…

氏作。Part15スレより。

「アグリアスさん、行きましょうか♪」 「は?」 ラムザはそう言うとキョトンと目を丸くするアグリアスの手を無邪気な顔で引っ張る。 アグリアスは顔を赤らめ、ラムザにされるがまま付いて行くが、しかしやはり戸惑ってしまう。 「ラ、ラムザ一体、どこへ行く…