氏作。Part19スレより。


私はアグリアス、薔薇のように美しい女騎士だ。などと思っていたら野営地で野薔薇発見。
この上品な香りがたまらん。ムスタディオやマラークのような下賎にはこの美しさは分かるまい。
だが貴族のラムザなら私同様分かるだろう。よし、持って行こう。ブチッ。
いーたーいーぞー!
痛い痛いッ、棘が手袋貫通した! さすが野生、棘の威力も温室育ちとは全然違う。
「あっ、アグリアスさん大丈夫ですか!?」
ラムザぁー、助けてー。
「僕のおまじないで治して上げます、えいっ」
ピロリロリン。
アグたんふっかーつ! ありがとうラムザ!!
「いえいえ。おや? それは薔薇ですか」
おお、うむ、そうだ! どうだ? 美し……。
「美味しそうですね」
へ?
「昔よく薔薇のジャムを食べていました。この野薔薇を使って薔薇ジャムでも作りましょうか」
あー………………うん、そうしよう! ラムザの作った薔薇ジャムならいくらでも食えるぞ!
もう胃袋が一杯になっても別腹に入れる! 別腹が一杯になってもまた他の別腹に入れ尽くす!

その日、とある森から野薔薇が一本残らず消えたそうな。
その事と関係あるのか不明だが、しばらくして近くの街で大量の薔薇ジャムを売る一団があったそうな。
その内の一人は薔薇ジャムの食べすぎで入院していたそうな。