モトベ

氏作。Part22スレより。

「隊長、私たちの隊の上位10名で決闘をしてもらいましょう」 桜の花弁がはらはらと舞い落ちる、うららかな春の午後にまどろむラムザへの アリシアのそんな言葉はまさしく寝耳に水だった。 春の暖気に普段よりも余計にぼうとしたラムザをよそに、アリシアの熱…

氏作。Part20スレより。

──午前中、隊長ラムザを先頭に、一同は海岸線を歩いていた。 朝の爽涼な空気がじわじわと熱気にとって代わり、強い日差しの下を皆が進む。 長い金色の髪が潮風にそよぐ。時折運ばれる海の風が火照った身体に心地良い。 望む水平線からは大きな入道雲が立ち並…

氏作。Part16スレより。

「…こんな不公平な話が赦されると思う? あなたの全てを凌駕するこの私を差し置いて スレの女神になり続けて。…もう我慢できない。あなたを殺して私が主役を担ってあげる」 眼前に立ち阻むはレーゼ。その目にはアグリアスを灼き尽くさんばかりの憤怒がはっき…

氏作。Part16スレより。

「奪う女」 私はルザリアの街を歩いていた。相次ぐ激戦で私の剣は刃こぼれを起こし続け、 もはやいつへし折れてもおかしくない状態だったのだ。剣を鍛えなおす必要があった。 私は剣を刀鍛冶屋に預け、別段目的も無くぶらぶらと街を歩いていた。 仲間の疲労は…

氏作。Part16スレより。

「最後の願い」 目の前には胸から矢が飛び出て倒れている女。顔は白く、虚ろな目はただアグリアスを ぼんやりと見つめている。 ――矢の先端は胸側、つまりこの女は後ろから射殺された事になる。戦いで殺されたのか、 はたまた野盗にでも不意打ちを受けたのか…

氏作。Part16スレより。

カティロア地方、セレス家の記録。重要事項は旧文体で書かれていて判別不能。三人の娘の物語が語られている。 (注、いわゆるアンソロジー物であり、実際の人物関係とは異なります。ご了承下さい) カティロア地方、セレス家の記録から 『プロローグ』 第4章 …

氏作。Part16スレより。

暗殺者たちの猛攻を退け、ラムザ一行はランベリー城内に突入する。 そこには銀髪鬼ことエルムドア侯爵、そして殺しを生業とする アサシンのセリアとレディが悠然とこちらを見つめている。 「(城門前でレディに深手を負わせたはずだが…完璧に回復している。 …

氏作。Part16スレより。

アグ 「それでは後のことは頼んだぞ」 ラム 「はい。道中お気をつけて」 小さな手荷物を持ってアグリアスは仲間たちを後に一人で野を進む。 ・ ・ ・ ムス 「……一体どうしまったんだろうな。アグリアスさんは。 『隊を抜けたい』なんて急に言い出して」 ラム…