行く人

氏作。Part27スレより。

生命。生命とは何か? 何よりも尊きものと人は言う。真実か否か? 知らぬ。人はまだ、それを知るに値する存在にまで上り詰めてはおらず、弱く儚い。 家族の悲報は悲哀を呼び絶望へと陥れる。 陥れられた少女は甘美なる果実に手を伸ばした。 果実の名は……“復…

氏作。Part27スレより。

『すべて』とはどこまでのものをさす言葉だろう? 地位? 財産? 誇り? それとも……家族? 少なくとも人は『すべて』の境界線を、人それぞれに決める事ができる。 それが真の『すべて』ではなかったとしても……。 Chapter3.1 復讐する者される者 前…

氏作。Part27スレより。

眠り羊の鎮魂歌 楽屋裏 恨み言がいっぱい アグリ「みんな、お疲れ様」 ラムザ「ホラーチックなお話も、たまには刺激的でいいですね」 アリシ「でも私なんていきなり死んで出番無さすぎですよ。トホホ」 みんな『アハハハハ』 ラヴィ 「何がおかしいッッ!!…

氏作。Part27スレより。

豪腕に吹き飛ばされたオルランドゥは、壁に背を叩きつけられた。 物置の狭い戸口を、異形の巨躯が突き破りながら突進し、獲物を圧殺せんとする。 だがさすがは雷神、一足飛びに異形の脇をすり抜け、エクスカリバーで肉をえぐる。 激昂した魔人が拳を振り下ろ…

氏作。Part27スレより。

「ラムザとラッドはどうした!? 一緒だったろう!」 「部屋にマラーク達がいなかった! それを探して来てみれば、貴様が!」 「誤解だ! ラヴィアンがマラークに追われていたから、敵だと思って――」 「だったらラヴィアンが犯人だろう! お前達二人の剣は血…

氏作。Part27スレより。

ガリッ、ゴリッ。鈍い切っ先が石床を削る。 ベキッ、ゴキッ。砕け散った肉片や骨を、正義の刃が撒き散らす。 「ぜはぁっ……はっ、はぁ……あぐっ。ぐ、おおっ! おアァッ!」 憤怒が、憎悪が、彼女を突き動かしていた。コレは、こうなって当然だ。死ね、死ね、…

氏作。Part26スレより。

・誕生編 人の夢と書いて儚いというが、儚いのはむしろ人の命だ。 長い年月を武で積み上げてきても、ちょっとした事ですぐ命を亡くす。 救いがあるとしたら、人は、業を石に託して伝えられるという事。 日和ってものがある。洗濯日和の晴天とか、悲劇日和の…

氏作。Part26スレより。

アグ「私とてたまには長距離移動をしたい! MOVE+3があれば願いがかなうのに……」 アリ「でしたら時魔のテレポはいかがでしょう? 成功すればMOVE+3以上の効果を発揮する事も」 アグ「それは素晴らしい」 アグ「という訳でテレポを習得した。ワク…

氏作。Part26スレより。

こんにちはラヴィアンです。最近色んな人が仲間になったせいで二軍に落ちちゃいました。 しかもキャラクターの濃い奴が多いんですよ。 色黒蛙なんてもはやパーティーNO.1のギャグキャラです。悔しい……! 「という訳でアグリアス様。汚名挽回したいので協…

氏作。Part26スレより。

深々と降雪が続く中、ラムザ一行を乗せた馬車は王都ルザリアへ入った。 異端者の烙印を押された地で、ラムザは馬車に引きこもりラヴィアンの看病をしている。 大通りから外れた所にある宿を選んでムスタディオが部屋を取り、ラムザは店主に顔を見せず部屋へ…

氏作。Part26スレより。

雪山を飛ぶ黒チョコボの上で、想いを込めた瞳が絡み合う。 ホーリーナイト、アグリアス。 竜騎士、アリシア。 かつて同僚であり、仲間であり、今は裏切られた者と裏切った者。 アグリアスの兜が砕け散り、悲痛な表情があらわになる。 アリシアの兜は冷たく輝…

氏作。Part26スレより。

豊富な鉱物資源に恵まれたファルメリア高地は、年中、吹雪が吹き荒れる厳しい土地でもある。 炭鉱都市ゴルランドは、今日も銀世界をにぎわせていた。 しかしゴルランドで長く過ごした者なら気づくだろう、街に流れる張り詰めた空気を。 第四話 炭鉱都市ゴル…

氏作。Part25スレより。

強い陽射しよりも、砂の味でアリシアは目を覚ました。 壊れた窓から砂が入ったのだろう、少量の水で口をゆすいで吐き捨てる。 二重の毛布を脱いで鞄に入れ、出発に備えマントを羽織る。 さすがに砂漠で鎧は暑すぎる。脱水症状を起こして意識不明になって砂漠…

氏作。Part25スレより。

「アリシア! 返事をしろ、どこだ!?」 空っぽの部屋でアグリアスは叫ぶ。返事は無く、またアリシアの荷物も無い。 それに気づいた時、アグリアスは今回の出来事の真相の一端を垣間見た。 第二話 ゼクラス砂漠『砂漠の夜の夢』 思考がまとまるより早くラム…

氏作。Part25スレより。

積み重ねはあった。 不安と不満。変動する己の足場がガラス張りのようで、歴史の最先端へ押しやられるように思えて。 尊敬するあの人は強くて、こんな状況でも真っ直ぐで。 だから??。 Chapter3.5 帰する者 帰せぬ者 第一話 貿易都市ドーター『そ…

氏作。Part24スレより。

ポーション風呂という名前を聞いたのは、まさにポーションの買い出しに行った先だった。 「何だそれ? ポーションを風呂にいっぱいに入れるのか? すっげぇ無駄遣い」 「いやいや、何もポーションだけで満たす訳じゃないよ。いつも通りお湯を入れて、そこに…

氏作。Part24スレより。

「アグリアス様〜、飲みすぎですって。明日つらいですよ?」 「構わん。今飲めない方がもっとつらい……いいホワイトデーを過ごせたアリシアには分かるまい」 「そうかもしれませんけど、でも、今日ラムザさんに押し倒されそうになったんでしょ? そのままやっ…

氏作。Part24スレより。

おはようございます、ラムザです。 もう双魚の月も中旬になり暖かくなり、春も近くなったと思ったら急に寒くなったりするから困る。 とはいえ、こうもお天道様がポカポカしてるといい気分。今日は街でのんびり休憩しようかなーっと。 おっ、アグリアスさん発…

氏作。Part23スレより。

「ん……ああ、おはようラムザ。今日も寒いな。朝食はパンと豆のスープだが、なかなか美味いぞ。 どうだ? いい宿を見つけてくれたラヴィアンに感謝せねばな……。 ラヴィアンか? まだ寝ているはずだ、後一時間もすれば起きるだろう。買い物に行きたがってたし…

氏作。Part22スレより。

「そういえば、もうすぐクリスマスですね。ふふっ、昔は楽しみだったなぁ……。 え? そりゃ今でも楽しみだけど、昔はパーティーもケーキも気軽に用意してたし。 異端者の僕達がクリスマスを祝うなんてのも変な話ですけど、資金に余裕がある訳でなし、 パーテ…

氏作。Part22スレより。

7 こうして──とりあえず寒中水泳大会を襲った事件は解決したのだった。 チョコボとカインとゴンザレスとの戦いは終結した! 負傷者の手当ても、戻ってきたザルバッグ率いる北天騎士団所属白魔道士の方々が加わって、 順調にケアルやらチャクラやらポーション…

氏作。Part22スレより。

6 チョコボの奇襲! 水着の肩紐が切れたアグリアスをかばい、セリスはチョコメテオを受けて河に沈む。 ズルをしたメリアドールも、これが天罰かと思いながらもう一発のチョコメテオで沈んだ。 ラムザはティータを守ろうと屋台の影に隠れ、逃げ込もうとした…

氏作。Part22スレより。

5 アトカーシャ王家とルザリア聖近衛騎士の看板を一身に背負うアグリアス・オークス! ついに第4レースの時間となりました、アグリアスの勇姿は見れるのかー!? さらに第1レースで失格になってしまったカイン・ハイウインドの暗躍。 出番と同時に戦闘不…

氏作。Part22スレより。

4 いよいよレース中盤、第3レース開幕間近! エドガーの弟にしてツッコミ名人兼格闘家のマッシュ! 若き神殿騎士にして得意のジャンプを使う作戦が駄目になって弱気になってるイズルード! 骸旅団活動費のため、たこ焼きを忘れていってくれた人に報いるた…

氏作。Part22スレより。

3 前置き長かったけどようやくレーススタートしそうではありますが、 ポロリ(と赤チョコボ)までの道のりを考えるとまだまだ時間がかかりそうです! まあそれはそれとして第1レースに備えて控え室に集う男達。 見よ、しかと見よ、これぞ男の花道、男の生…

氏作。Part22スレより。

2 フィナス河で真冬の寒中水泳なんかやろうってお馬鹿なお祭りやってます! アグリアスはオヴェリア様の警護とレース参加のためにやって来ました。 そんなアグリアス達を狙う蒼の双眸。 さらにはチョコバナナを目指して旅をするはぐれ者ラムザとティータ、 …

氏作。Part22スレより。

1 それなりに流れの速い河というのは、水音も相当のものである。 だがフィナス河の水音は、人々の賑わいにかき消されていた。 河の両岸を人と屋台が埋め尽くし、かけられた橋の上から急流を見下ろす子供。 高々と造られた来賓席には王侯貴族が集まっている…

氏作。Part20スレより。

昔々かどうかは不明ですがある所にラヴィアンという木こりが住んでいたという設定だそうな。 今日もラヴィアンはウッドブレイクで木をへし折っています。 ところが汗で斧がすっぽ抜けて湖に落ちてしまいました。 「ガーンッ! 買い換えたばかりなのに、アグ…

氏作。Part20スレより。

毛皮骨肉店に行くと、セッティエムソンが売っていた。 鈍足で悩み、エクスカリバーで永久ヘイストのオルランドゥに憧れていたアグリアスは即購入。 うきうき気分で宿屋の自室に戻った。 さっそくつけようとしてみた。つけ方が分からなかった。 ラヴィアンや…

氏作。Part20スレより。

王女オヴェリアが誘拐された翌日、貿易都市ドーターにて。 太陽がもっとも高い位置にある時間、ラッドとアリシアは酒場で昼食を取っていた。 少し硬いパンに、簡素なサラダとヤギのミルク。 オヴェリア王女の護衛を勤めているアリシアにとって、お世辞にも豪…