氏作。Part24スレより。


おはようございます、ラムザです。
もう双魚の月も中旬になり暖かくなり、春も近くなったと思ったら急に寒くなったりするから困る。
とはいえ、こうもお天道様がポカポカしてるといい気分。今日は街でのんびり休憩しようかなーっと。
おっ、アグリアスさん発見。アリシアと一緒に朝ご飯を食べてる、混ぜてもらおっと。
アグリアスさーん、アリシアー、おっはよー。
「あっ……おはようございます」
苦笑いでアリシア
「…………」
無言のアグリアスさん。
……あれぇ? アグリアスさん、何か元気無いですよ。どうかしましたか?
「別に」
ツンデレらしくツンツンしてるアグリアスさんは好きですけど、無愛想っていうのはちょっと寂しい。
アグリアスさん、お隣いいですか? どーせラヴィアンはまた寝坊してるでしょうし、お隣いいでしょ? ねっ?
「勝手に座ればいい」
では座ります。
「ごちそうさま」
え。
アリシア、9時になったら宿屋の裏手で訓練をやるぞ。準備をしておけ」
「はい」
あ、ちょっ、アグリアスさん? まだスープが少し残ってますよ!? もしかして僕を避けてますか!?
ラムザさんラムザさん、アグリアス様が機嫌悪い理由、気づいてないんですか?」
機嫌悪い……はっ、そうか。すみませんでしたアグリアスさん、今日は女の子の日なんですね!?
よろしければお腹をさすって上げ──。
「命脈は無常にして惜しむるべからず……葬る! 不動無明剣!」
コキーン。
「あのー……ラムザさん。それもありますけど、っていうか何で今日がその日だって知ってるんですか?」
カチーン。
「いや、私が知ってるのはやはり女同士ですし、部屋も同じだからですけど、アグリアス様が怒ってる理由は……」
コチーン。
「明らかに聞いてな……聞ける状態じゃありませんね。ラムザさん、胸に手を当ててよぉく考えてください。では」
パリーン。
ラムザ・ベオルブ。永久氷壁を破り現世に再臨せり!!



んもうっ、アグリアスさんったらツッコミが激しいんだから。あれ、アグリアスさん? アリシアもいない。
そういえばアリシアが何か言ってたような、言ってなかったような、何だろう?
胸に手を当てて考えろとか……うーん……僕、アグリアスさんの気に障るような事したかなぁ?
昨日は機嫌よかったし、笑顔で話しかけてくれて、僕も特にミスはしなかったし……。
よしこういう時は自分で考えるのメンドイからラヴィアンあたりに相談しよう。
いざラヴィアンの部屋へ! テクテク、テクテク、テクテク、ガチャッ、やっほーラヴィアン!


「なっ……!?」
「えっ……!?」


説明しよう!
今回取った宿で空室だったのは大部屋ばかり! 四人同じ部屋でお眠りしたりするのだ!
では部屋割りを教えよう。僕はラッドとムス太とマラガエルと同室だった。
女子部屋はアグリアスさん、アリシア、ラヴィアン、ラファだ。
男子部屋2号はオル爺ちゃんとベイオさんとチョコボ頭。
女子部屋2号はメリアとレーゼさんと労働八号とビブロスの梅子。
そして僕がノックもせずドアを開けたのが女子部屋1号だ。
OK諸君、もう分かっているだろう。女子部屋をノック無しで空けるとはどういう事か。


まずラファ。
白のキャミソールで、小さな胸も小ぶりなお尻も隠しているが、対照的な褐色の太ももは丸出しで、
艶やかできめ細かい肌が実に官能的。第二のバリンテンになっていいですか?


アリシア
日に焼けた金の髪を手ぐしで整えているのは、上着を脱いだために髪が乱れたせいだろう。
脇に脱ぎ捨てられているのは私服で、新たに手に取っているのは服だ。
ほら、あの一番安く買える防具で、斡旋所で新人雇った時に初期装備でついてるあの服。
残念なのはズボンを履いてるせいで、ラファみたく太ももを見せてくれていないという事だ。


次ラヴィアン。
ベッドで寝てる。布団跳ね除けてる。パジャマのお腹がめくれておへそがチラリ。口からよだれ。


最後にアグリアスさん。
さらしを巻いてる最中なのか解いてる最中なのか、それは謎だが、白くたわわに実った柔肉の果実があらになっており、
っていうかむしろ、その登頂にある小さくて可愛い桜色の、突起が、ぶっちゃけ乳首が、真っ直ぐにこちらを見つめていた。
アグリアスさんがどんな表情をしているかなんて分からない。
だってもう今の僕にとってアグリアスさんの両目が白い乳房で、アグリアスさんの瞳が淡いピンクの乳首であり、
人と人はお互い顔を見て目を見てコミュニケーションを取るべきであり、僕はアグリアスさんの顔と錯覚した胸を直視。


 女 体 の 神 秘 堪 能 さ せ て い た だ き まぁぁぁぁぁぁッす!!


ちょうど竜騎士だった僕はジャンプでアグリアスさんに突撃。そのやーらかいおっぱいにダイブ決定!
ラムザァァァッ!!」
アグリアスさんの鉄拳がMY息子を直撃しました。これが先日習得した『ハメどる』ってアビリティですか。
はははなんて淫猥な響きっていうかそこは駄目です反則です人体最大最凶の急所です不能者になってしまいます堪忍。
おっぱいダイブを試みた僕は無残にも股間を押さえて床に落下。
さらに──。
「入相の鐘の響き、天に光り消ゆる時、現在りしは幻と知る……大虚空蔵!」
ラファの真言が発動。ハハハ、そんなしょっちゅう外しまくるアビリティが、
そう簡単に当たる訳ウボァーウボァーウボァーゲコゲコーゲェコォゲェコォ…………。
6発全弾命中って何だ。
1発目で暗闇になり、2発目で混乱になり、3発目で毒になり、4発目でカエルになり、5発目でスロウになり、
6発目で沈黙になるという、驚愕の展開が巻き起こりましたよ。
そんな状況の中、さらに何か追い討ちをかけられてるって事は何となく分かります。誰かが僕を蹴ってる、蹴ってるよ。
「メモリーブレイク! メモリーブレイク! メモリーブレイク!」
モリー=記憶って事だね! つまりバッチリ見ちゃった秘密の花園を抹消する気だね!?
   忘 れ て な る も の か ッ!!
グチャッ。あ……内臓はみ出たかも……。そういや、今カエル……や、ば、い。
誰か助け……グチョッ、ブチッ、ブチャッ、ヌチャヌチャ、グシャリ、メメタァ、ズガン、ちゅど?ん。
…………………………。
……………………。





あ、父上。お久し振りです。ベオルブの正義貫こうとしたら異端者になっちゃいましたけど怒らないですよね?
あ、ちょっ、父上、何を……あっ、痛い痛い! 堪忍! 死ぬ、死んでまう! え、もう死んでる?
や、やめ……ち、父……乳ぃぃぃっ!! アグリアスさんの乳を、乳に触れずして死ねるものかぁぁぁっ!!


……はっ!? ここはどこだ。父上はどこだ。
「よぉ、目ぇ覚めたか」
あ、ラッド。おはよう。……ん? 身体が動かない?
「そりゃ全身に包帯巻いてるからな。お前、一度死んで、聖石の力で蘇生されたんだぞ」
マジで!? ラファがマラガエルを生き返らせたみたく!?
「ああ」
誰が生き返らせてくれたの!? 偽らざる心で生き返るんだよね!? アグリアスさん!? アグリアスさんのLOVE!?
「梅子」
え。
「梅子が聖石握って泣きまくってたら生き返った」
梅子って、ビブロスの梅子?
「他に梅子なんて変な名前の奴がいるか? 後でお礼してやれよ」
あー……うん。お礼しとく。
「魔獣語で話したところ、モルボルグレイトのお刺身が食べたいって言ってたから」
えー……? ダルいなぁ……モルボルなんて気持ち悪いしさ。
「……お前なー。お礼くらいしてもバチは当たんねーぞ?」
いいよ面倒くさい。善意というのは見返りを求めるもんじゃないでしょ? だったら見返り上げなくていいじゃん。
「うわお前最低。そりゃ見返り目当てじゃ偽善になるけどさ、お返しすんのは人としての礼儀だろ」
えー? お返しなんて面倒くさいじゃーん。どーでもいーよー。
「……そういやアグリアスが機嫌悪かったけど、お前もしかして、お返ししてないのか?」
何の?
「ホワイトデーの」
あ。今日何日?
「15日」
昨日何の日?
「ホワイトデー」
やっべ、パーペキに忘れてたわ。どないしょ?
「知るかアホ」


という訳で必死にお返しを考えた結果! ホワイトデーの名に相応しいお返しを思いついた!!
という訳でアグリアスさーん、ちょっとお時間よろしいですか?
「よろしくない」
そげなー。僕が死んで復活する間に剣の訓練とか終わったんでしょ? 時間あるでしょ? ねえ!
お願いですよぉ、差し上げたいものがあるんですってば。
「……何?」
あ、何か期待してるような表情。よっしゃこのまま一気に押し通す!
えー、実はですね、ちょっと人前では差し上げにくいので、部屋に戻りませんか?
「ん、まあ、どうしてもというなら、考えてやらん事もないが」
ばんざーい! ではさっそくお部屋にGOGOGO!


「……で、その、私に渡したいものとは、何だ?」
頬を朱に染めてツンツンしながら言うアグリアスさん可愛すぎます。ツンデレですか? デレデレにしていいですか?
アグリアスさん……まず最初に謝らせてください。昨日がホワイトデーだという事、スッカリ忘れてました。
悪気があった訳じゃないんです! その証拠に、今日、誰よりも特別なお返しをプレゼントします!!
「特別……」
ええ、特別です。一生に一度しか差し上げられない貴重な物です。
受け取ってください、僕の──。


   僕の童貞を!


脱衣(クロス・アウッ)!!!! 装備変更のアビリティにて防具どころか私服もパンツもすべて脱ぎ去りました!
ホワイトデーに相応しく僕のホワイト・ミルクでアグリアスさんの内側も外側も真っ白に染め──。
「死ねぇぇぇッ!!」
アグリアスさんの鉄拳に吹っ飛ばされ窓の方向に吹っ飛びガラスを割って三階の高さから素っ裸で街中にダイブ。
猥褻物陳列罪でしょっぴかれそうになって必死で逃げました、全裸で。


その日の夕刊には『異端者ラムザ・ベオルブ、全裸で王都ルザリアを疾走!!』なんて記事が載りましたよ。
ラッドに土下座してケーキとクッキーとマシュマロとキャンディを買ってきてもらって、
それをアグリアスさんに渡す事でなんとか怒りを3%くらい減少させたけれども、当分口を利いてくれそうにないです。


   終われ。






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