2004-01-01から1年間の記事一覧

氏作。Part14スレより。

夕暮れにさしかかり、人気の少ない通りをラムザとアグリアスは二人並んで 歩いていた。手一杯の荷物を持っているせいか、二人とも口数は少ない。街に 駐留する度に行う、物資の補給の帰りなのだ。 隣を歩くラムザの、ぽやんとした横顔を横目で眺めながらアグ…

氏作。Part14スレより。

私の名はアグリアス・オークス。オヴェリア様にお仕えする騎士だ。 いざ最終決戦かと思いきやムスタディオのせいで機工都市ゴーグへ逆戻りだ。面倒くさい。 しかも聖石が関係ある事だというから戻ったというに、珍妙な鉄球にアクエリアスの印があるだけでは…

氏作。Part14スレより。

シドルファス・オルランドゥ伯。通称“雷神シド” 南天騎士団団長にして、 先の五十年戦争ではバルバネスやザルバッグらと共に敵に恐れられた無敗の 将軍。なおかつ、万人に等しく温和な態度で接するダンディな紳士。趣味は 盆栽と昼寝。私のことである。 この…

氏作。Part14スレより。

ある日、ラッドは思った。 「俺って最近、影薄くね?」 以前はラムザの親友というか相棒というか、そういうポジションだった。 なのに今は、ラムザの隣にはムスタディオがいる。ちなみにもう片方の隣はアグリアスが陣取っている。 固有ジョブを持つ仲間がど…

氏作。Part14スレより。

季節が巡った。 それは、思うより長いときだったのか。いや短かったのか。駆け足で過ぎては消えた戦乱の日々。 やがて訪れた春の日差し。戦乱という冬を越えて畏国にやって来た、木漏れ日のような平和。 私は待っていた。人知れずその平和の為に戦った一人の…

氏作。Part14スレより。

ハイ、あたしサンドラ。サンドラ・ラスカリス。 泣く子も羨むアカデミーの士官候補生。だったんだけど、戦争の始めのころに民兵騎士団の 統率なんてむっさい役目に派遣されちゃったのが運の尽き。 骸騎士団、ってあったじゃない? あれの小っちゃいやつ。昨…

氏作。Part14スレより。

「な、なんだ、どうしたんだ?」 「むふふふふ、アグリアス様逃げてもムダですよぉ〜。」 「今日こそは私たちの言う通りにしてもらいますからね!」 「こ、こらっ!よせ、やめろッ!」 「じっとしてくださいよ〜」 「アリシア、足を押さえろ。」 女性部屋中…

氏作。Part14スレより。

「武士道は一朝夕で修めるような類のものではない。どうも西方の国の人間は性急らしい」 大分草臥れた一振りを横の小岩に立て掛け、振り返る。 「実戦には事欠かない現世では、と少々高を括っていたのですが」 夕暮れの平原。逆光で顔は見えない。然し声と立…

氏作。Part14スレより。

深夜。 ザーギドス一を自称する汚らしい宿屋の裏手に設けられた厩へ、足音を忍ばせて 入ってくる者がある。 「レーゼ。レーゼ、元気にしているかい」 答える低い唸り声はドラゴンのもの。つい先日、晴れて異端者一行の一員となった 剣士ベイオウーフと、謎め…

氏作。Part14スレより。

「助けて・・・殺さないで・・・」 「・・・恨むなら自分か神様にしてくれ」 ラムザは目の前の光景をありえないもののように見つめていた。 南天騎士団が堅固に防衛するドグーラ峠の突破ポイントを探していた一行は、 とある崖そばで運悪く北天騎士団の斥候…

氏作。Part13スレより。

なあメリアドール。どうやら世間では、明日バレンタインという催しがあるらしい。 女性から男性にチョコレートなどを作って…、 え、なに。そんなの知ってる?そ、そうか……。 うんそれで、そのバレンタインだが…なんだ。お前は誰かに渡すのか? …ほお、マラー…

氏作。Part13スレより。

私の名はアグリアス・オークス。オヴェリア様にお仕えする騎士だ。 敬愛するオヴェリア様を守るために今日も騎士として修練を重ねている。 よし今日は聖剣技の特訓だ。雑念を払い集中する。厳しい特訓の始まりだ! さて、とりあえず不動無明剣をラヴィアンと…

氏作。【FF】SSで楽しみましょ〜【総合】 より。

ある所に果てしない遠回りな恋愛の末、ようやく結ばれた恋人達がいました。 ある時は彼女の部下に「呼んでましたよ。あっちの方で」と言われて行ってみれば水浴び中で聖剣技を喰らったり。 またある時は機工士の親友に「これやるから勉強しとけ」ともらった…

氏作。Part13スレより。

むかしむかし、とても仲むつまじい夫婦がいました。 夫の名前はラムザ、妻の名前はアグリアスといいました。 ラムザさんは少し抜けたところがありましたが、穏やかで誰にでも好かれる優しい人でした。 アグリアスさんはとても美しいけれど、厳しくちょっぴり…

氏作。Part12スレより。

なんだか幸せな夢を見て、目を醒ました。 「起きたか、ラムザ」 やさしい声がして見上げると、金色の髪を結い上げたアグリアスが微笑んでいた。 頭の上にすずしい風が吹いている。ゆうる、ゆうると団扇を動かして、風を送って くれていたのだ。 狭い庭に面し…

氏作。Part12スレより。

吾輩はチョコボである。名前はボコという。 どこで生まれたのかあまり定かでない。なんでも薄暗い巣の中で、卵の殻を尻にのっけて クエクエ鳴いていたことだけ覚えている。それが長ずるに及んで吾輩の住処となった アラグアイの草原でないことだけは確かだが…

氏作。Part12スレより。

或る少女の一日 春の陽気もうららかな或る日。 一人の少女が公園の近くの林の中で剣の修行をしていた。 美しい金髪を編みこみ、軽装ながら良く似合う青のタートルとスパッツ。 女の子としては長身で、顔立ちもぐっと大人び、スレンダーな肢体は年相応にはと…

氏作。Part12スレより。

ラムザがでていってしまった。 きっかけは些細なことだった気がする。 話の最中に、いつの間にか言い争いになっていた。 私は興奮して、ラムザに非難を浴びせた。 いつもの様にラムザが折れて謝り、そんな彼を慰めてやって 優しくしてもらえるつもりだった。…

氏作。Part12スレより。

「……ふむふむ、私は巨蟹1日生まれだから、相性が良いのは 天蠍のオルランドゥ伯、双魚のアリシア、ラファ、レーゼ殿か。 伯と相性が良いのはなんとなく嬉しいが、アリシアと相性が良いのは 当然だな。何しろ私たちは長い付き合いなのだし」 宿の一室で、ア…

氏作。Part12スレより。

ー 処女の月 七日 ー 『 ここ数日は天候に恵まれ、魔物との遭遇もほとんどなく、思いのほか早くザランダに到着する事ができた。 先に派遣した武術大会に出場した者達の帰還を待つため、二日ほど滞在する…… ・ ・ スラスラと、端正な字で旅の行程を書き綴るア…

氏作。Part12スレより。

「アグリアスさん、お願いします!僕に、『女性』の事を教えて下さい!」 顔を赤くしながら、ビシっと腰を90度に頭を下げるラムザくん。 言われた方のアグリアスさんも、ぼんっ、と真っ赤になってしまいます。 さて、なんでこんなことになったのでしょうか…

氏作。Part12スレより。

僕は逃げていた。 僕を支えてきた全てが崩れ、それに押しつぶされまいと懸命に逃げ続けてきた。 怖くて、振り向くことも、立ち止まることもできず、 泣きながら、怯えながら、それでも、逃げて、逃げて、逃げ続けた。 暗い、何も見えない場所で、独りぼっち…

氏作。Part12スレより。

「起床ぉー!起床ぉー!」 朝を告げる声が寮内に響き渡る。アグリアスはほとんど反射的に目を覚ました。 ルザリアの士官学校。貴族の子弟からなる、エリート育成機関である。 「朝…」 寮の規則正しい生活リズムのおかげで目は覚めるものの、体がついていかな…