氏作。Part13スレより。

 なあメリアドール。どうやら世間では、明日バレンタインという催しがあるらしい。
女性から男性にチョコレートなどを作って…、
え、なに。そんなの知ってる?そ、そうか……。
うんそれで、そのバレンタインだが…なんだ。お前は誰かに渡すのか?
…ほお、マラークか。…え、ベイオウーフ殿?伯にも?なんだ、そんなに大勢に贈るのか!?
はぁ…?義理……?そういうものなのか。
ん…、ムスタディオにはやらないのか?…何怒ってるんだ?…………えっ、私!?
いや…、私は騎士だから…、い、いやお前もそうだろうが。
…うん、まあ私もその、義理? をひとつだけ贈ろうかと思っている…。
…え、そういうのは本命と言う?
……ばばば馬鹿を言え!誰も好きだなんて言って…、誰をって…いや誰でもないが…。
と、とにかくだ。それで、チョコというものは自分で作る方が良いと聞いてな。
しかし、私は菓子などとんと作った事がなくて……。
頼む!ひとつ作り方を教えてくれないか。
…そうか、助かる!では早速買い出しに行こう。
なっ、ははりきってなどいないぞ。いっ、いいから急ごう。




……塩なんて入れるのか?
チョコレートは確か甘いものだったような気が…、あ、いやすまない続けてくれ。



…いい匂いがしてきたな、もっと蜂蜜をいれなくて大丈夫か?



…これで完成か!ありがとうメリアドール。恩に着るぞ。
ん?うん、これはラム……ちっ、ちがう!ラムザじゃない!
……なんだ、ただちょっと作ってみようと思っただけだ。後で自分で食べる。
そ、そういうことだ。ほら、みんな集まっているぞ。お前は渡してこなくていいのか?



……あ、そういえばこのカカオは使わなかったけどいいのか?







 やあ、おはようメリアドール。
え、いやいやいつもどおりだぞ。ふふふ。うふふふふふ。
…昨日?うん、あの後ラムザにチョコを渡し…ゴホッゴホッ。
いや、私が部屋で食べようとした時にちょうどラムザがやってきてな。
欲しいと言うので分けてやったんだ。それで……
え?とても美味しそうに食べていたぞ?うーん、そういえば、何だか汗をかいていたが。
それでな、まあ大した事じゃないんだが…ふふふ、おい、待て聞け。
…別れ際にラムザが、『来年も僕だけにくださいね、義理チョコ♪』なんて言うんだ。
来年もだなんて、まったく無責任な話だと思わないか?もし私達が解散していたら、
わざわざラムザにチョコレートを届けに行かなくてはならないじゃないか?
なあ、私はラムザの恋人でもなんでも…まったく。そう…、ラムザの恋人………うふふ。



ん、どこに行くんだ?
こら、まだ話は……おーい。