カテナツィオ

氏作。Part33スレより。

「すみません、一人にしてください。――半日でいいですから」 ラムザはそう言うと、宿の自室に篭ってしまった。 無理もなかった。ルカヴィと化したとはいえ、実兄たるダイスダーグを手にかけて しまったのだから。 かてて加えて、ラムザがもっとも信頼してい…

氏作。Part31スレより。

「オノレ……一度ナラズ……二度マデモッ!」 聖大天使アルテマの巨躯から、光が放たれる。爆散の前触れである。圧倒的な 魔力を誇る大天使も、ラムザと仲間達の猛攻にさらされ、ついに力尽きようとして いた。しかし―― 「コノママデハ終ワラヌ! 貴様ラモ、道連…

氏作。Part27スレより。

「アグリアスさん……」 一糸纏わぬラムザが、アグリアスの上から覗き込んでいる。 その瞳は、情熱的に潤んでいた。 ラムザの女のように滑らかな肌は、興奮からか朱に染まっており、しなやかながらも 意外に逞しいその身体から、アグリアスのやはり一糸纏わぬ…

氏作。Part26スレより。

「うわあああーーーッ!!」 「ラムザッ!!」 絶叫がこだまし、皆がその方向を向いたときにはすでに手遅れだった。 ラムザは手負いのレッドパンサーの捨て身の一撃を受け、ドグーラ峠の切り立った 崖から足を踏み外していた。 あまたの死闘を潜り抜けてきた…

氏作。Part26スレより。

機工都市ゴーグ。そこは独自の文化と技術を持つ街である。 ゴーグは、その技術力の高さにより、獅子戦争時には黒獅子、白獅子両陣営から工作兵の 派遣を要請されたほどであったが、自立心の強いゴーグの市民はこれを拒否した。 国や教会に対する忠誠とはまた…

氏作。Part26スレより。

「レーゼ殿、ベイオウーフ殿。ちょっといいか? アグリアスだが」 アグリアスは扉の外から声をかけた。 「どうぞ」 部屋の中からレーゼの声がした。 ここは貿易都市ドーターの宿である。軍資金を稼ぐため、仲間数人が儲け話で隊を 離れており、彼らが戻るま…

氏作。Part25スレより。

ラム「みんな揃ったかい?」 ムス「見りゃわかんだろ。揃ってるよ」 ラム「そうか。いや、他でもないんだけど、隊の経理係のアグリアスさんが みんな顔をそろえてくれって言うんだ」 ラド「ふーん? 何の用だ?」 ラム「いや多分、軍資の積み立て金の催促じ…

氏作。Part25スレより。

「アグ姐、ラムザ起こしてきてくれないか」 アグリアスはそう言われて、不機嫌そうに声の主―――ムスタディオのほうを向いた。 「……なぜ、私が?」 「なんでって……あんたが起こせば、一番寝覚めがいいだろうし」 ムスタディオは意地の悪そうな笑いを浮かべなが…

氏作。Part25スレより。

歴史学者アラズラム・デュライが、異端者ラムザ・ベオルブの名誉を回復せんとして「デュライ白書」を 公開したのは、獅子戦争終結から400年が経過したグレバドス聖暦(以下聖暦)1655年のことであった。 同書の公開により、アラズラムはグレバドス教会と、残…

氏作。Part24スレより。

機工都市ゴーグのはずれ、海を臨む小高い丘の上に、若い夫婦の住む一軒の家があった。 ルグリア、という姓のその夫婦は、獅子戦争が終結してからしばらくして、ふらりと現れ、 そこに住み着いた。 この夫婦、いやに目立った。────というのも、夫も妻も大変な…