氏作。★FINAL FANTASY 壱〜壱拾&拾壱エロパロ小説スレより。



 「さて、一風呂浴びて僕も寝るとしましょうか」
ラムザは荷駄の点検と部屋の見回りをすませると、宿の浴場へと向かった。

 異端者ラムザ・ベオルブ率いる一行は敵勢力の追跡の目を逃れつつ、数週間の行軍の後に
ようやく街道はずれにひっそりと建つこの宿に逗留することができていた。
 もっともこんな田舎の安宿では人がゆっくり浸かれる浴槽を備えた風呂場など望むべくもない。
人がやっと二人座れるほどの大きめのタライに湯を張っていく風呂がせいぜいだ。
しかも深夜ともなれば客が自分で湯を沸かさねばならない。だが長く野営を続けてきたラムザ達には
それでも充分すぎるくらいありがたいものであった。

 ラムザはタライに踝ほどの高さまで湯を張ると疲労のためかしばらく湯中に座り込んでいた。
幾ばくかの時間をぼうっとしていると、ふと脱衣場に人の気配を感じた。こちらに近づいてくる。
ラムザ、背中…流してやろうか…」
入ってきたのはアグリアスだった。彼女も女性部屋を見回り後は風呂を浴び就寝するだけなのだろう。
簡素な麻の部屋着を着ているのみであった。
「いえそんな、僕これであがりますから。新しくお湯を沸かしますから少し待っててくだ――」
「いまさらつまらん気を使うな。―――というより私はつまらんぞ」

 しまった。ご機嫌ななめにさせてしまった。
教訓その一、この人が「私に甘えていいぞ」というサインを出している時は素直に甘えるべし。
ただしタイミングの見極めがすこぶる難しい。
「わかりました。それじゃ、あの、お願いします」
「うむ」
とたんに機嫌を直してくれたようだ。この年上の女性はこんなところが少女のようで可愛らしい。とは
ラムザとしては口に出せない。言ったら最後「少女のように」すねられてしまうだろう。


 アグリアスがズボンの裾をあげつつラムザへと近づく。あらわになった白いふくらはぎにラムザ
鼓動を僅かに速めさせられつつ背を向けた。自分だけが裸というのはどうにも気恥ずかしい。

 アグリアスラムザの背中を手拭いで擦っていく。暫く静かな時間が過ぎていった。だが彼女は
ラムザの背を見てからずっとある物が気になっていた。ラムザの肩口から背中へ走る大きな傷跡。
「あの時の傷、ずいぶんと跡が残ってしまったな…」
それは前回の戦闘でラムザアグリアスを庇い敵の白刃を受けたときの傷だった。
「助けてもらった私が言っていい台詞ではないが、お前はいつも無茶をしすぎだ…」
「まぁその、あの時は貴女を守ることで頭がいっぱいでしたし」
ラムザはさらっと言い放っているが、その時はラムザの死亡一歩手前でようやく蘇生が間に合い
アグリアスは仲間達の前で取り乱しそうになるのを必死で耐えていたほどだった。
「でもなんとか命を拾えたからこそ、こうしてアグリアスさんに背中流して貰えてるわけですから」
「………!」

 アグリアスはその時を思い出し感極まったのか、服が濡れるのも構わず思わずラムザの背中に
抱きついた。そしてラムザの肩の傷に口付け、傷口に沿って唇を這わしていく。
「あの、アグリアスさん……」
たった薄布一枚を隔てただけの豊かな胸の感触にラムザの鼓動が爆発的に速くなった。
ラムザの雄としての情欲がじょじょに首をもたげていく。だがふいに漏れ出したアグリアスの嗚咽が
ラムザの欲望に歯止めをかけた。
「もう二度と…あんな思いはさせてくれるな…!」
「…!…すいませんでした…」
腰に回された手に自分の手を重ね、ラムザはゆっくりと振り向く。だが彼の目に映ったものは、
僅かに目を泣き腫らし、体にピッチリと濡れた服を張り付かせた美しくも淫らなアグリアスの姿。
誇示するかのように張り出した胸の頂点には二つの薄桃色の点が透けていた。


 あまりに無防備なまま見つめてくるアグリアスの姿に、ラムザは我知らず手を伸ばしかけていた。
だがすぐにハタと気付き動きを止める。
 何をしているのだ己は。少なくとも劣情にまかせて女性の体を求めていい状況ではない。
確かにこの女(ひと)とは互いの想いを確かめ合い、幾度か体も重ねてきた。
しかしまだそれも片手の指で数えられる回数でしかないし、何よりラムザとしては二人の関係を
もっとゆっくりと大事に育んでいきたかった。

「やっぱり僕もう出ますから…」
立ち上がろうとしたラムザの右手をアグリアスが掴んだ。
さらに片方の手を重ねられアグリアスの胸元へと導かれていく。ついにラムザの手は彼女の左乳房に
押し付けられていた。圧倒的なまでの量感とクリームが詰められているような柔らかさ。それでいて
乳房の底の方からは強い弾力が男の指を押し返そうとしてくる。
 先刻とは比べ物にならない血流が股間の海綿体に流れこんでいく。それでも何とか落ち着こうと
アグリアスの顔を見やると、彼女は耳まで真っ赤になりうつむいたままだった。
アグリアスさん…」
「お、お前は無茶もしすぎだが、我慢もしすぎだ。欲しいものがあるなら欲しいとハッキリ言え…。
 私とて、自分が人の言うところの鈍い女だとか、朴念仁とかいうものの範疇に入ってることぐらい
 自覚している。だから、だから、その何だ…」

 ラムザは愛する女性に対する自分の不甲斐なさに歯噛みした。
自分がもう少しの自信と思いやり、そして相手に対する素直な気持ちを出せばそれですむことなのに。
だが反省したからにはすぐに行動に移すべきだろう。
アグリアスさん……えっと…」(おいおい反省したはずだろ僕)
「ん…」
「僕、あの…」(これが初めてというわけでもないのに)
「ハッキリとな…でないと解らん」


「今ここで…貴女を抱きたい」(ミもフタも無さすぎかな…)

それを聴くとアグリアスはようやく顔をあげ、恥ずかしげに微笑んだ。
そして胸に当てたままだったラムザの手をさらに強く乳房に押し付けてきた。
「フフフ、もう少しムードのある誘い方とやらを勉強すべきだな。お互いに」
「う、そうですね…」

 二人は軽い口付けを交わすといったん体を離した。アグリアスはしゃがんだまま濡れた服を
脱ぎ始めた。いっきに上着をたくし上げると豊かに張り詰めた乳房がぶるんと躍り出る。
鍛えられた胸筋に乗せられ上向きに反りあがった美しい乳房だ。服越しに見たときより乳首が
さらに鮮紅色に染まっている。アグリアスは立ち上がると次にズボンと下穿きを脱いでいった。
上体を傾けた姿勢のため、乳房が鐘形に形を変えてラムザの眼前にずしりと迫る。
先端の紅い肉蕾が揺らめく様がラムザの男根をさらに硬くさせ、先汁の量を増していった。

「服を片付けてくるから少し待っててくれ。それとも、もう我慢できないと言うのではあるまいな」
「そ、そんなことないですよ。ただあまり長く待たされると僕がそちらへ行くかもしれませんけど」
「フフ、それもいいかもしれんな」
「もう、アグリアスさんたら。ちゃんと待ちますよ」

 他愛のない会話がどうやら二人にリラックスする効果をもたらしたようだ。どうにか落ち着いて
アグリアスの後ろ姿を見送る。歩く度に弾むように揺れ動く彼女の尻にラムザは目を細めた。
 アグリアスは新しい手拭いで股間を隠しながら戻ってきた。蝋燭のほの暗い明かりが彼女の肢体を
幻想的な美しさに照らし出している。ラムザは立ち上がると手を差し伸べタライの中へアグリアス
迎え入れた。二人は強く抱き合うと改めて唇を重ねた。重なり合った二人の体の間で女の乳房と
男の一物が形を歪めあう。二人は唇を吸い合ったままゆっくりと湯の中にしゃがみこんでいった。


 二人分の体が入ったために水位がタライのふちギリギリまで上昇してきた。ピチャピチャと音を
たてて少しづつ湯がこぼれ落ち、浴場の床を濡らしていく。

 二人が唇を離すと互いの唾液が交じり合った銀色の糸がアグリアスの胸乳にポトリと落ちた。
ラムザはなおも名残惜しそうに唇を求めようとするアグリアスの体を反転させ自分の胸に抱き入れた。
「あん、ラムザ…?」
「いえ、僕もまずアグリアスさんを洗ってあげたいなと思いまして。二人きりでゆっくりできる時間て
 今まであまりありませんでしたし…。今ぐらいのんびり過ごしてもバチは当たらないでしょう?」
「ほ〜う?」
自分の尻肉に挟みこんだラムザの剛直の熱さを感じとるとアグリアスはいたずらっぽく微笑んだ。
この後に及んで私に気を使うのかとでも言いたげだ。

「ま、せっかくのラムザの好意だ。受けるとしようか」
アグリアスは体の力をすっかり抜いてラムザにもたれ掛かる。こうしているとラムザの胸が見た目以上
に広いのを実感する。背丈こそアグリアスにようやく追いついた程度だが体の厚みと幅は明らかに違う。
 いつまでも初めて会った頃の可愛らしい少年のままではないのだ。アグリアスの尻の下で激しく息づく
モノがなによりそれを主張していた。
「本音を言っちゃうと、なるべく楽しむ時間を伸ばしたいといいますか…」
「期待してる…」
アグリアスは手を伸ばすとラムザの男をそっと包みこみ、首を傾けラムザの頬に軽いキスをした。

 ラムザアグリアスの三つ編みを解きつつ新しい湯を彼女の髪と体にかけ、自分がしてもらったように
手拭いで擦り上げていく。再びゆったりとした雰囲気に戻っていったが、これからの行為に期待してか
二人の呼吸は少しづつ荒くなる。
「…んふ……う…く……はぁ…ん…」
ラムザの手の動きが愛撫のそれへと次第に変わると、アグリアスの濡れた唇から甘い喘ぎがこぼれた。


 ラムザは両手を交差させてアグリアスの胸を包み込むと、人差し指と中指の間に乳首を挟みこんだ。
たちまち乳首が硬くしこり立っていく。
「ふぅっ…ん!」
そして左腕のみで両の胸を抱えたまま、右手で滑らかで引き締まった下腹を撫で下ろす。
柔らかな金色の恥毛が茂る秘肉のふくらみがラムザの手に包みこまれると、女体がピクンと痙攣した。
「はぁぁ……っ」
アグリアスはうっとりと大きな吐息を漏らす。

「………?」
愛撫がさらに続くのを待ち望んでいたアグリアスだが、何故かラムザはそこから動こうとしない。
 背中から伝わる彼の心臓の鼓動と、尻から伝わる肉棒の脈動。どちらからもアグリアスを求める
ラムザの劣情が激しく伝わってくるだけに、触れているだけの愛撫にたまらなく切なくさせられる。
「ん……ふっ…んぅ……ラ、ラム…」
ついにアグリアスは我慢しきれず緩やかに悶えてラムザにさらなる愛撫をねだろうとした。
ラムザはそこを見計らい、すでにたっぷりと愛蜜で潤った秘唇に二本の指をえぐり込み、同時に
抱え込んでいた乳肉をさらに強く揉みしだく。そしてこちらに顔を向きかけていたアグリアスの耳朶に
舌を絡めてしゃぶりたてた。

「んはあぁ!あっあっあぁ!ラム、ザ…!」
ようやく待ち望んだ愛撫の手にアグリアスは軽い絶頂を迎えた。だがラムザはさらに強く責め立てる。
乳房を乳首ごと強くこねまわすと、弾力に富んだ豊かな肉がムリュンと指の又からはみ出る。
湯の中で女陰を抉る指は鉤形に曲げられ、膣壁の天井にあるしこりを捉えつつ内部をかき回す。
「うあっ!あ…うんっ……そ、そこ……ぉ」
男の指はそのしこりを愛液ごと何度もかき出し、同時にその掌で充血した淫核を包皮の上から
強く押し撫でる。バチャバチャと水飛沫の音が部屋中に響き渡った。
「やぁっ、だ、だめっ……それ、だめぇ!あっあぁぁ、くっ!んくううぅぅぅ〜〜!!!」
ついにアグリアスはさらなる強い頂へと押し上げられ、ラムザの腕の中でビクビクと激しく仰け反った。


 ラムザはぐったりとなったアグリアスを自分の方へと向き直させた。
アグリアスは濡れた全身を薄桃色に上気させ、悦楽に蕩けた表情でラムザと視線を絡みあわせる。
荒い呼吸に合わせて上下する胸乳には汗と湯が混じった水珠が滴り、その先端では勃起しきった乳頭
のみならず、美しい真円を描く乳輪までもプックリと充血してラムザの口に吸われるのを待っていた。

 ラムザとしては、ゆっくりと執拗な愛撫でアグリアスを焦らし、それによって自分自身をも焦らす
つもりだった。互いの内圧を高めることで、後にくる淫心の爆発をより大きくしようと思ったのだ。
 だが美しさと淫らさの両方をたっぷりと兼ね備えたアグリアスのたわわな乳房が視界を占めると、
そんなラムザの自制の堤防の一端が崩れた。

 ラムザは慌しく胡坐(あぐら)を組んだ中にアグリアスを抱え入れると、彼女の胸の中央に顔を埋めた。
そして両の乳房を手で寄せ上げ、顔を擦りつけていく。アグリアスの甘い体臭を胸一杯に吸い込むと
心の芯まで蕩けそうだ。ラムザは惚れた女の肉の海に溺れた。
「あぁ…アグリアス、さん…」
彼女の名を呟きながらラムザの唇は柔肉の稜線を舐め上げ、ついには淫らにしこった乳首へ辿り着いた。
「んぅ…ラ、ラムザ…ぁぁ」

 今まで耐えてきたものを吐き出すように乳を貪る。乳首を吸い、しゃぶり、舐め転がし、弾き、
甘く歯をあてる。反対の乳房は肉のふもとから先端へと搾り揉み、そのまま乳首をもしごき上げる。
さらに双房を中央に寄せると乳首を二つまとめて吸いしゃぶり、口と手の愛撫を左右入れ替えて施した。
「あっあっあっ、んあぁ…う、くふうぅぅぅん……」
遂には口一杯に乳房を頬張り、肉の弾力を歯で堪能しつつ乳頭を舌でグリグリと押し込む。
「ひゃうんっ……ん〜〜〜」
アグリアスが激しく首を振ると、豊かな金色の髪から水飛沫が飛び散った。


 ラムザはこれまでアグリアスの胸に口唇愛撫を施すことに対し、ここまでの執着はしてこなかった。
あくまでアグリアスが気持ちよくなってもらうために乳首を軽くしゃぶる程度にとどめてきた。
どうしても彼女の肌に自分の唾液を塗りたくるという行為などは、願望よりもまず引け目と申し訳なさが
先立ってしまう。自分が女性にいわゆる「母性」を求めるタイプではないとも思ってきたつもりでもある。

 だが湯殿で睦み合うという状況にタガが外れたのか遠慮を感じなくなったのか、湯でアグリアスの体を
洗い流しては肌に舌を這わして汗と湯を吸い舐めることを繰り返し、胸中にキスマークを付けていく。
「あっあぁ、ラム…ザ、そんなに…吸っちゃ…ぁぅ」 
さらにわざと音を立てて乳首を乳輪ごと吸いたてると、咥えたまま乳房が形を変えるほどに吸い伸ばした。
唇を離すと乳はたまらぬ弾力でもって元の形に戻ろうとする。肉がまさに弾み揺れる光景にラムザ
脳髄は焼けた。執拗に吸っては離し、吸っては離す。
「や、やあぁ、ラ、ラム…!そんな、ちく、乳首ばっ…かりっ…らめ、らめぇぇ…」

 アグリアスの体は生殺しの灼熱感によって融けていった。
上半身へは執拗な愛撫で絶え間なく快感を送り込まれている。
だが下の花弁には、今一番欲している物がただ押し付けられているだけ。飲み込もうとしても飲み込めない。
アグリアスはどうにもたまらず、花唇と肉芽をラムザの幹に自ら擦りつけていた。
「んっんっんっんっ!…あうんっ、くうぅぅぅ………うぅ〜〜!!」
激しく腰を振りたてるとラムザに乳首をコリッと噛まれ、アグリアスはまたしても達してしまった。

 アグリアスは余韻に浸りながら、まだ胸に顔を埋めている淫らな乳飲み子を愛しげに見つめた。
ラムザの濡れた金髪に指を絡め、ゆっくりと頭を撫でながら囁いた。
ラムザ…お前は………そんなに私の…………む、胸が…好きか…?」
「……………………………好きです………アグリアスさんの……オッパイ…」
ラムザが思わず口走ったその幼児言葉の響きに、二人して顔がさらに紅くなってしまった。


 特にアグリアスは羞恥心のツボを直撃されたらしい。おもいきりラムザの顔を胸の谷間に押し付けると、
「ままままったく、今からこんなでは先が思いやられるな。私に、あ、赤子が生まれたときは
 どど、どうするつもりだ、お前は…。もぅ…」
どうやら自分でも何が言いたいか整理できていないらしく、あらぬ方向をキョロキョロ見ながら口走る。

 またラムザラムザでそれを聞くと、アグリアスの乳を取り合うべく両の乳房に吸いつく自分と
赤ん坊の一枚絵を頭に浮かばせてしまった。さすがにもう自分以外の男が子供の父親であるという
発想は浮かばないらしい。
(…アグリアスさんの母乳“おっぱい”…………て、何考えてるんだ、僕は!)
慌ててたわけた妄想を打ち消そうとする。だがミルク好きのラムザにとって「アグリアスの母乳“ミルク”」
というあまりに甘美なキーワードは当分脳裏から離れそうもない。

「な、なぁラムザラムザ
アグリアスの声で現実に引き戻された。彼女も本当に我慢の限界に来たようだが、やはりそこから先、
ラムザの男性自身を求める言葉は口にしづらいのだろう。体を擦り付け必死に表情でラムザに訴える。
「ハ…」
ラムザは先刻のお返しとして『ハッキリ言ってくれないと分からない』と言おうとしたが、すぐに止めた。
どのみち自分がこの女性にこれ以上「意地悪」を出来るわけがないのだ。なにより自分とてもう我慢はできない。

「…はい」
アグリアスをいったん自分から下ろし、太腿を撫でながら優しく下肢を開かせていく。湯の中では金色の
恥毛が水草のように揺らめき、その奥には濃い桃色の花がラムザの男を求めてひくついていた。
「いきますよ…」
「ん…」
ラムザが亀頭を花弁に潜らせるとさらに蜜が溢れ、秘肉が男根を奥へと飲み込もうとする動きをみせる。
 二人はどちらからともなく両手を伸ばし、互いの指を組み合わせた。そしてラムザアグリアス
目と目を見詰め合わせたまま腰を進ませ、ゆっくりと力強く彼女を満たしていった。


「んあ…ラム、ザァァァ〜〜〜〜……ァ」
ラムザの逞しすぎるほどの陰茎が膣壁を突き進むごとに、アグリアスの意識と体が蕩けていく。
 ぼやけていく意識とはうらはらに、内部の肉ひだは活発に一物に絡みつき、愛液をコンコンと溢れさせ、
鍛え抜かれた括約筋によって男の精を搾り取ろうとラムザをギュウギュウと締め付けていく。
 ついにラムザの長大な剛直がすべて埋め込まれると、二人ともに大きな身震いを走らせた。
「あつい…」
二人は同時に同じ言葉を呟いた。湯で温められていた二人の性器はその熱で互いの体を融かしあう。
 ラムザは再びアグリアスを胡坐の上に抱え上げ、彼女の足を自分の腰に回させた。俗にいう対面座位だ。
そして彼女の後ろに回した手を髪から肩、背から腰へと柔らかく撫で下ろしていった。

 アグリアスラムザの首に両手を回し、ラムザに顔を近づけると唇から軽く舌を突き出した。
ラムザも舌を突き出しアグリアスのそれに触れる。始めは優しく、そして次第に激しく二枚の舌が宙で
絡み合う。二人は舌の触れ合いを堪能しあうとそのまま深く口付けを交わし、互いの唾液を飲みあった。
「んむ、ふぅ…クチュ、チュム…ピチャ…」 
 浴室内には、二人が唇を貪りあう音と濡れた肉を擦り合わせる音、湯がタライから零れる音と天井から
ときおり雫が滴る音と、四種の水音だけが静かに流れていた。

 さらにラムザアグリアスの腰をガッシリと抱え上げたまま、膝立ちの姿勢をとった。アグリアス
今まで以上にラムザの体にしがみ付くことになる。ラムザは自分の腰は動かさず、腕力のみでアグリアス
を上下させ蜜壷を貫いていく。濡れそぼった淫肉を打ち付けあう淫らな蜜音が部屋中に一際大きく
響きわたり、アグリアスの羞恥と愉悦をさらに燃え上がらせていった。
「や、いやぁ…あ、あっあっ、くっんうぅ…」
ラムザが女の腰を持ち上げると、濡れ光る男根が花肉を引きずり出しつつ姿を現し、じわりと押し下げると
じゅぷじゅぷと音をたてて飲み込まれていく。そして八分ほど飲み込ませたところで動きを止める。
「んううぅふぅ〜……(ラムザ……動いてぇ…)」
ふるふると泣きべそをかかせるほどたっぷり焦らし、ラムザは一気にアグリアスの尻を突き落とした。
「ひああぁっ!」 


 今度はラムザも自分の腰を大きく使いつつ座り込む。そしてアグリアスを抱えていた手を尻肉の溝に
這わせ、谷間の奥にひっそりと息づく後ろの花を指で捉えると、女体がヒクッと小さく震えた。
「…ラ!…ぃやぁ……そんなトコ…ォ!…んっ…あうっ」
男の指が中心部をふにふにと弄ると、菊門がぴくぴくと可憐に震える。さらにシワの一本一本を優しく
丹念になぞり上げていくと、アグリアスの嗚咽と膣の締め付けはますます強くなっていった。
「アグ…リアス、さんっ…。お尻を…いじると前の方もすごく…気持ち…いいですっ…」
「そっ…んなコト言うなぁ!……んうっ、ラム…ザのバカァ……ぁうん!」
 そう言いつつもアグリアスは自分から激しく腰を振りたてる。ラムザは頃合を見計らうと、空いている
手を二人の間に差し入れ、アグリアスの淫核をぐりぐりとまさぐった。
「やっ、いやぁ!…ラ、ラムザラムザァァ…も、もうっだめっ、らめらめぇぇ…」


 結局自分は、この人に意地悪できないと思ったそばから意地悪をしている。
ラムザは小さく苦笑すると、尻穴を弄る指を僅かにめり込ませ、同時に肉芽を強くつまんだ。
「んああっ!あっああぁああぁぁ〜〜……!!」
 絶頂に達したアグリアスの肌がさらに濃い朱色に染まり、パァッと一段と汗の珠が迸った。甘い女の
香りが湯殿中に立ち込める。大きく仰け反ったアグリアスの体の頂点では、たっぷりとしたボリュームの
乳房が、美しい半球をまったく崩さぬままに、激しい呼吸に合わせてぶるぶると揺れていた。

「…………ぁ……ん…ふぅ………う…ん…」
 ラムザアグリアスの呼吸が落ち着いてきたのをみると、自分の方へともたれかけさせた。
カクンとアグリアスの首がラムザの肩に埋まる。が、何故か耳元から妙な唸り声が聞こえてきた。
「むぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

 しまった…アグリアス『ちゃん』お怒りの前兆…。
「…あの〜、やっぱり、今の…お気に召しま…せんでした?……って、ふが!ひらい、ひらいれふ〜!」
ぎゅむと思い切り両頬を捻り上げられた。
「こンの、ば・か・も・の〜〜……!」


 アグリアスはまるでむずかる少女そのままに、泣きべそをかきつつ頬を膨らませてラムザをつねる。
そのあまりに可愛らしい様にラムザが思わずにやけそうになると、さらに強く捻りあげられた。
「ひゅ、ひゅいまへ〜ん」
 きょ、教訓その二、女性の羞恥心の許容範囲は把握しておくべし。アグリアスのお尻をいじって
いいのは一回まで。ただし今のところは。


 ひとしきりラムザをつまんで気がすむと、アグリアスラムザの額に小さなキスをくれた。そして
親猫が子猫を舐めるように、ラムザの顔中に舌を這わしていく。赤くなった頬は特に念入りに舐めた。
 そしてラムザの耳まで舌が辿り着くと、そっと囁いた。
「本当は……………気持ち…良かった…」
表情を見られたくないのか、そのままラムザの首筋に顔を埋め、体全体を強くラムザにしがみ付かせる。
 二人の間に挟まれて潰れた乳房をさらに強くなすり付けてくると、硬くなった互いの乳首も擦れあう。
その乳首の刺激に連動して、二人の一物と膣壁がピクピクと震えた。


「んぅ?…ラムザ…お前…」
 アグリアスラムザがまだ達していないことに気がついた。膣道を締め付けることで剛直の感触を
確かめてみる。ラムザのそれは以前変わらぬ太さと硬さ、熱さを保っていた。再び腰の奥が熱くなる。
「まーその、僕なりの頑張りということで。……期待に…応えられて…ます?」 
「さぁどうかな…。男なら…ん、行動で…示してっ……貰わない…と……ぁ」


 再び二人はゆっくりと律動を始め、パートナーの粘膜がもたらす快感を静かに貪りあう。
「んんっ、くふ…うっ…んうんっ……ぅあっ!…あっあっあっああぁぁ!」
 最初こそ穏やかな快美感に浸っていたアグリアスだが、すでに体は火を点けられまくっていただけに
あっという間に快楽を示す曲線は先刻の域まで上昇してしまった。後はラムザの一突きごとに、新たな
絶頂の波を次々と迎えてしまう。
「んああぁっ!あうっ、んううっ!…リャ、リャムッ、リャムザ、リャムザァァ……!」
まさにアグリアスの脳が桃色に染まったというべきか、愉悦に溶けた表情で涙を流し、ろれつの回らぬ
口調で愛しい男の名を呼び叫んでいった。


「ふああぁっ!」
何度目かの波を迎えてアグリアスは後ろに倒れそうなほど大きく仰け反る。ラムザは慌てて彼女の手を
取って支えた。そのまま両手首を掴みアグリアスの手を手綱代わりに、二人の上体を離した姿勢で
大きく腰を使う。アグリアスの頭が糸の切れた操り人形のようにガクガクと揺れ、それに合わせて
彼女の髪と乳房が水滴を飛ばしながら激しく踊った。乳首の残像が描く紅い軌跡に目が奪われる。

 ラムザはそのままアグリアスの両手首をヘソの辺りで交差させた。そうすると豊かな乳肉は彼女の
二の腕によって中央に寄せ上げられ、あまりにもいやらしく形を歪めた。新たに出現した淫らな深い肉溝に、
ラムザはそこにペニスを埋めてしごかせたい衝動に駆られたが、やはり二人して同じ悦びの極みに
飛び込みたいという想いの方が優った。

 アグリアスを抱き寄せ、彼女の唇から頬、そして目じりへと指で撫で上げ、溜まっていた涙を拭う。
それでもその蒼い瞳は、涙を次々と零れ落としてラムザを見つめてくる。
「……お前…だけだっ………お前だけ…に……」


 ――そうだ。自分だけだ――。ラムザは自惚れたかった。
確かにこの戦乱の畏国で、余人から見れば絶望的ともいえる戦いに身を投じることを自ら選択した己だ。
「貴女を守る」だの「幸せにする」だのといった「ただの言葉」などどのツラさげて言えるのか、とは思う。
だが今こうして体を一つに重ねあい、互いへの想いを共有できる男は、この世に自分ただ一人だけなのだと
自惚れていたいのだ。

 二人一緒に終着点に飛び込むべく、ラムザはよりいっそう怒張を突き上げ、子宮口まで抉りこむ。
激しい挿入によりジュポジュポと派手な蜜音をたてて、桃色の陰唇が淫らにめくれあがっていく。
「んあぁあっ、やあぁ!ラ、ラムザァ、わ、わたっ私っ、もうっ……ああぁっ!」
ラムザも限界を覚りアグリアスから体を離そうとした。だがアグリアスはそれを感じるとラムザの両頬を
そっと手で挟み、優しく微笑みながら首を振った。それでいて彼女の下肢はがっしりとラムザを抱え込む。 
 
 やっぱりこの女(ひと)にはかなわない…


 ここが浴室なだけに、ラムザアグリアスの白い肌に心置きなく己の精をぶちまけるつもりでいたの
だが、腹を決めてアグリアスを強く抱きしめ、差し出された唇を貪った。
「んむう…ふっふっ、ふうぅ……うん…チュ、クチュ…」
アグリアスラムザを咥えた上下の口から、男の全てを吸い取ろうとする。二人はより強く四肢を絡めあい
身も心も一つに溶け合う感覚に溺れた。魂ごと吸い取られそうな快感にラムザの意識は白い灼熱感に
覆われた。そして二人は唇を重ねたまま、これまでにない激しい絶頂へと弾けていった。
アグリアスに大量の精を注ぎ終わっても、まだ彼女の膣はひくひくとラムザを締め付けていた。

 いまやタライの中の湯は二人の激しい交わりによりほとんど外に零れ、床は水浸しになっていた。
湯殿の狭い空間には男女の性臭と荒い呼吸音が満ちている。
 
 二人は余韻に浸りつつ、抱き合った姿勢のまま気息を整えていた。すっかりぬるくなった洗い湯を
かけあい、後戯として髪や肌を撫でていく。キスも啄ばむ程度に互いの体に降らしていった。
「…ラムザ……立って…」
アグリアスラムザを立たせると、力を失いかけた一物を口に含み、精液の残滓を吸い取りはじめた。
射精直後の敏感になった粘膜を吸われ、おもわず腰が引けてしまう。
「うわ…アグ、リ…」
さらにふぐりを壊れ物を扱うかのように、両手でそっと包まれた。ラムザが怒張しきった状態では
半分程も口には含めないだけに、今はラムザの全てを口と手の中に収めた感覚に浸っているのだろうか、
アグリアスは穏やかな表情で口中の物を確かめるようにしゃぶっている。
 
 すっかり力を取り戻した一物を口から出すと、アグリアスはそれに頬擦りしつつ神妙な表情で言った。
ラムザ、私達の………初めてのとき、お前が言ってくれたこと、覚えてるか…?」
「忘れるわけがありません」
二人が初めて結ばれたとき、ラムザはいわゆる「自分の妻ではない女性に対する粗相」をしてしまい、
アグリアスに「責任を取る」旨の発言をしていたのであった。省みると、それは肩に力の入ったお坊ちゃまの
気負いではなかったかとも思う。だがあれからさして刻が経っているわけではないのだが、今ではそれを
実行できるというだけの自負と覚悟が、今のラムザの腹の中に溜まりつつあるのだ。


 お前はまず自分自身に責任を果たす義務があると思うぞ…」
「……はい」
アグリアスは玉袋を揉みつつ、それに耳が付いてるかのごとく男根に向かって語りかけている。
「それに何も一人きりで『責任を取れる男』になれと言ってるわけではないしな。お前が弱音を
 吐きそうになったら、いつでも私が尻を引っぱたいて励ましてやる。ふふふっ」
物欲しげに先走りの汁を垂らしはじめた亀頭に、触れる程度のキスをされた。

「だがその努力を放棄するような男に成り下がりでもしたら、そのときこそ――」
アグリアスは玉を揉む手に僅かに力を込め、ラムザを見上げてニッと笑った。鈍い痛みにラムザの顔が歪む。
「握り潰して、見捨てるぞ」
「……望むところです。僕だっていつまでも『貴女に尻を引っぱたかれる男』のままでいたくは
 ないですもんね」
アグリアスはスッと立ち上がるとラムザの腰に手を回し、鼻が触れ合うほど顔を近づけ微笑んだ。
「う〜む、ラムザが一人前になり過ぎて尻を叩けなくなると、それはそれで少し寂しいかもな」
「もう〜、それはないですよ。アグリアスさ、…は…は……」
「…?」
「…くしゅんっ。………む〜〜」
「……くすっ、まだまだ私が尻を叩く余地はありそうだな」
アグリアスはぺちぺちとラムザの尻を叩きながら笑っている。
「ですから、これからもっと頑張りますってば…は………はぁ…ふぁ」


 だがラムザの二回目のくしゃみは、アグリアスの唇で情熱的にふさがれた。
(努力しなきゃいけない課題はまだまだいっぱいあるよねぇ)
ぼんやりと悩みつつも、ラムザは強くアグリアスを抱きしめた。


 ――劇終