氏作。Part27スレより(一部エロパロFFTスレより)。
降りしきる激しい雨の中、少年は女騎士を背負い森の中を歩いていた。
少年の足取りは重く、疲労と苦痛によって今にも倒れそうであった。
「…う、うう……ラムザ…」
背負われていた女騎士が力なくうめきながら目を覚ました。
「大丈夫ですか、アグリアスさん…。たぶんもうすぐ街道に出ます…」
―――ゲルミナス山岳で山賊に襲撃されたラムザ一行は、地の利を生かした相手の攻撃に敗走を余儀なくされた。
アグリアスはラムザに背負われつつ、何が起こったのか思い出そうとする。
逃げる最中に自分が崖から足を踏み外し、さらに自分を追ってラムザが崖から跳んだところまでは覚えている。
が、その先どうなったのか全く思い出せない。
「…下に茂った樹があって助かりました。アグリアスさん目を覚まさないから、心配しましたよ。」
「……す、すまぬ!!私はもう大丈夫だ!自分で歩ける!」
背負ってもらっていた事への申し訳なさと照れくささから、軽く突き飛ばすようにラムザの背から飛び降りた。
「あうっ!!」
軽く押されただけだったが、前方によろけたラムザはそのまま泥水の中に倒れこんだ。
「ラムザ!!」
駆け寄ったアグリアスは一瞬血の気が引くのを感じた。倒れたラムザの右の大腿部は真っ赤に染まっていたのだ。
血を拭うと、破れたズボンの布の下に広がる深い傷が見えた。
「お前、この足で………………」
「崖から落ちたときにやっちゃったみたいで…。…でも、大した事ないですよ。」
「ちょっと待っていろ。いま手当てする。」
アグリアスは急いで自分のマントの裾を破り、それを傷の部分にぎゅっと巻き付けた。
思いを寄せている女性の前でやせ我慢をしていたラムザであったが、さすがにウッと声を上げ顔をしかめた。
「よし、行くぞ。ほら、つかまれ……」
アグリアスはラムザに肩を貸し、二人はゆっくり歩き始めた。
彼女自身も体中に打ち身ができており酷く痛んだが、ラムザの怪我に比べると大したものとは思えなかった。
数時間後、小さな宿屋の前にたどり着いた二人の疲労は頂点に達していた。
「…すっかり日が暮れてしまったが何とか町に着けたな…。ラムザ、傷の方は大丈夫か?」
「はい…大丈夫です。迷惑かけてすみません、アグリアスさん……」と、アグリアスに体を預けつつ、ラムザは力なく答えた。
ラムザの右足に巻かれた布には血が滲んでおり、彼の負傷の度合いがいかに酷いかを物語っていた。
急いで手当てせねば、と焦りながら戸を開け、叫ぶ。
「すまぬ、今晩こちらに宿を取りたいのだが!!」
「ダブルの部屋ならひとつだけ空いてるけど、それでいいかい!?個室はもう満室だよ!」
ボロボロの二人を見て怪訝そうな顔をしつつも、商売用のよく通る声でカウンター越しに女将が答えた。
普段であれば『結婚もしていない年頃の男女が部屋を共にするなどとんでもない』、と他の宿を探すであろうアグリアスだが、そんなことを言っている場合ではなかった。
手早く手続きを済ませ、ずぶぬれの二人は部屋へ入る。
入るや否や、ドンッと音を立ててラムザはその場に倒れこんだ。
「…ラムザ?おい、ラムザ!!どうしたのだ!!」
アグリアスはラムザの肩を抱き、揺すりながら呼びかけた。しかし、
「…ハァ………ハァ……ハァ」と、返ってきたのは苦しそうな呼吸だけであった。
ラムザは朦朧としていた。しかも、ひどい熱が出ており、顔は恐ろしくなるほど青白かった。
『傷口を汚い状態のままで放置するとそこから病にかかり、最悪の場合死にいたることもある』――――アグリアスは騎士アカデミー時代に受けた講義を思い出し、凍りついた。
なぜ思い出せなかったのか―――崖から落ちたとき回復用アイテムは持っていなかったが、水で洗うなどして置けばここまでの事態にはならなかったかもしれない。
後悔と焦りから、半ばパニック状態になりながらアグリアスは叫んだ。
「ラムザ!しっかりしろ!!ラムザ―――――!!」
返事はなかった。窓の外では降り続く雨が一層勢いを増していた。
アグリアスは女将のいるカウンターへと走った。
着くなり早口で万能薬とポーションと毒消し、それから、たらい一杯のお湯をくれるよう頼んだ。
本来ならば医者か白魔道士を呼びたかったが、自分たちは異端者一行だ。極力目立つ行動は避けたかった。
薬とお湯を受け取り部屋に戻ったアグリアスは、ラムザの太腿の傷口の包帯を解き、びしょ濡れになっていたラムザの防具と服を全て脱がせ、ベッドに横たわらせた。
先ほどもらってきたポーションと毒消しで交互に傷口を洗い、何度かそれを繰り返した後で清潔な包帯を巻いた。
そして何とか万能薬をラムザに飲ませると、
「ふう……」
と、アグリアスは弱々しいため息をついた。
これが本当に正しい処置なのかは分からなかったが、それをやり終える事でひとまずアグリアスは冷静さを取り戻すことができていた。
すると、今度は目の前に横たわる少年を見て恥ずかしさのような感情が急に噴き出してきた。ラムザは着衣を何も身にまとっておらず、はあ、はあ、と喘ぐような声で息をしている。
「か、体も拭かねばな。」
不自然な明るさの混ざった声で言いながら、お湯で湿らせた布で体を拭いていく。
ラムザを介抱するために仕方なくやっているのだと自分に言い聞かせつつも、何かいけない事をしているような罪悪感を覚え、アグリアスの顔は真っ赤に染まっていた。
顔、首筋、胸、背中、手足、…そして初めて見る男性の秘所も丁寧に拭いていく。誰が見張っているわけでもないが、アグリアスは一瞬見ては眼を逸らし、また一瞬見ては眼を逸らし、とちらちらラムザの体を見ていた。
アグリアスは自分の体が上気しているのを感じつつ、何とかラムザの体を拭き終え、続けて髪を洗っていった。
全てを終えたところで、彼女はラムザの体を見つめて、ふとしばらく止まってしまった。
「な、何を考えているのだ!!私は!!破廉恥な!」
はっと気づいたようにアグリアスはそう言って眼を逸らし、ラムザに布団を掛けた。
ラムザが病で苦しんでいるという時に、そのラムザに対して劣情にも近い感情を抱いていた。そんな自分に腹が立っていた。
そういった感情を振り払うかのように、アグリアスは服を脱ぎ捨て、床に膝をついて自分の体と髪を洗い始めた。
それは、一枚の絵画のようであった。その女騎士は膝を床に着き、横に垂らしたその長く美しい金色の髪を丁寧に洗っていた。
均整の取れた肢体は騎士と思えないほど美しい丸みを帯びており、透き通るような白い肌、憂いを含んだ表情も加わって、蝋燭の明かりに照らし出されたその姿からは艶かしさと神々しさが同時に滲み出ていた。
アグリアスはこれまでになく複雑な心境であった。
自分がラムザに対して戦友以上の感情を抱いているのは前から気づいていた。少女と見紛う程の幼くも美しい容姿、戦いの中で見せる驚異的な成長力、数え上げればきりがないが、それら全てが彼女を惹きつけていた。
戦闘に限らず様々な場面で彼から頼られるたび、アグリアスの心は少女のように高鳴った。彼が様々な悩みを抱えて苦しんでいるのを見るたび、アグリアスの心は張り裂けそうになった。
彼女のラムザに対する愛情は純粋な尊敬の念にも似たもので、そこに肉体的な欲情といった類のものは微塵もなかった。――――はずだった。
「私は………………」
先程自分が抱いた感情を反芻し、同時に自分に対する嫌悪感を覚える。
「最悪だ……………」
アグリアスはあまりにも真面目すぎた。幼少期より騎士への道を志し研鑽してきたが、全く異性に接触する機会がなかったわけではない。
しかし彼女はその一途さゆえに、恋愛は騎士道には不要なものと判断し、自分の生活からは排除してきた。
そのため、愛する男に抱かれたいという、年頃の女性であれば多かれ少なかれ誰でも持っているはずの感情でさえ、彼女にとっては淫乱で罪深いものに感じられた。
そんな忌むべき感情を病で苦しむラムザに対して抱いてしまった事はアグリアスを苦しめた。
髪を洗い終えたアグリアスは、ざっと髪の水気を拭き取ると、まだ髪が乾ききらない内にベッドに入った。
抱きしめて添い寝をしてやろうか―――相変わらず苦しそうなラムザを見てそんな考えが一瞬浮かび、再び高揚感と自己嫌悪感が同時に襲ってきたので、ラムザに背を向け、ベッドの上でできる限りラムザと離れて横になった。
この状態で眠れるはずもなかったし、何かあったときのために自分は起きておこうと思った。
「ううう、ち、父上ぇ………」
いつの間にか浅い眠りに落ちていたアグリアスは、そんなラムザの声で眼を覚ました。
カーテン越しに見える窓の外はまだ真っ暗で、降り続く雨の音が室内に満ちていた。
振り返り、少し体を起こしてラムザの方を向く。ラムザは夢にうなされているらしく、苦悶の表情でうわ言を繰り返していた。
「やめろ、やめるんだディリータ、やめてくれ……」
「ダイスダーグ兄さん、あなたは……」
いろいろなものがごちゃ混ぜになった夢を見ているらしく、寝言の内容は支離滅裂だった。
しばらく聞いていると、今度は母親の夢になったようで、
「母上ぇ…寒いよお………母上ぇ…どこにいるの?…」
と子供のような言葉で寝言が始まった。それを聞いて、アグリアスは少し微笑んだ。
何かがアグリアスの中で変わった。
先程までの葛藤も忘れ、自然とラムザの方へ寄り、横からラムザの首に腕を回して抱きしめていた。
ラムザの肩から二の腕の辺りに、アグリアスの豊かな乳房が押し付けられる格好となっていた。
アグリアスは優しく子供に話しかけるように、ラムザの耳元で囁いた。
「母上はここにいるわ。安心して。」
「母上ぇ……」
「ラムザ……」母の代わりにラムザを抱きしめてやりつつ、アグリアスは幸福感に浸っていた。
布一枚隔てることなく肌と肌が触れ合っていたが、先刻のような情欲もなければ罪悪感もなく、自然にラムザのぬくもりを感じられていた。
また先程の応急処置が功を奏したのか、ラムザの熱はだいぶ下がってきていた。
安堵感と幸福感を感じつつ、ラムザの匂いに包まれてアグリアスはまたウトウトとしていた。
「アグリアスさん……」
すぐ傍で発せられたラムザのこの言葉は、アグリアスを心地よいまどろみから一瞬で引き戻した。
目は覚めたものの、アグリアスは言葉を発することも動くこともできなかった。
ラムザが目覚めたらこの状況を一体何と説明すればよいのか。焦って思考がまとまらなかった。
「アグリアスさん……岩なんて斬れませんよ……もっと簡単なのから教えてください……むにゃ」
アグリアスは大きく息をついた。ラムザはまだ夢の中にいるようだった。どうやら夢の中で自分に剣術の稽古をつけられているようである。
ラムザの夢の中に自分が出てきたことが嬉しかったのか、
「お前ならできる…お前なら…」アグリアスは微笑んでそっと囁いた。
そして、くくっ、と笑いをこらえながらラムザの寝言に耳を傾けた。
「アグリアスさああん……ちょっとは手加減してください……」
「すいません………アグリアスさん……次からはしっっかりやりまぅ……んにゃ…………」。
――――やがて数分の時が経過したが、未だにラムザはアグリアスの名を呼び続けていた。
最初の内は面白がっていたアグリアスであったが、次第に恥ずかしくなってきて、今ではもう耳の先まで真っ赤になっていた。
心臓は走る馬の蹄の音のように鼓動を打っていた。
「アグリアスさん…ありがとう……ございます……褒めてもらったの初めてですね……」
「アグリアスさん…………逃げて……危ない……」
その時突然、ラムザの左手がもぞっと動いて、アグリアスの太腿の間にある一番敏感な部分に軽く当たった。
「んっ!!」思わずアグリアスは声を上げてしまった。
ラムザの手がアグリアスの淫核に触れた瞬間、電撃のような快感がアグリアスの脊髄を駆け巡った。
何が起こったのか確かめようと指を自分の秘所へと伸ばしてみると、くちゅっと音がして再び快感がアグリアスの体に走った。
「あ、あっ!!!」
すでにアグリアスのその部分は愛液でびしょびしょになっていた。
「アグリアスさん……オヴェリア様はきっと…無事ですよ……」
「はぁぁ…はぁぁ…ラムザ…」
初めて味わう突き抜けるような快感と、耳元で自分を呼び続けるラムザの寝言に、アグリアスの理性は失われていった。
自慰を誰かに教わった訳ではなかったが、自然と指を自分の秘所にあてがい、動かし始めていた。
「ぁんっ…!あっうぅぅ、あふぁぁっ……」
寝る前までに感じていた罪悪感や嫌悪感など、どこかへ消えてしまっていた。
「んんっ……んっ…」
にちゅっにちゅっと音を立てながら、アグリアスは指を動かす速度を速めていた。
普段は甲胄姿に風格すら漂わせている女騎士は、あどけない少年の横で淫らな喘ぎ声を押し殺して自慰にふけっていた。
「ん、ん、んぁっ!!……ここ………あっ!やっ!!…………」
肉唇の上端の辺りの小さな核をこすると特に大きな快感が突き抜ける事も、誰に教わるでもなく自然と学習していた。
「アグリアスさん………カチューシャ…似合ってますよ……ふふふ……むにゃ…」
隣に寝ている少年の発する「アグリアスさん」の言葉も、麻薬のようにアグリアスの脳内を駆け巡っていた。
自分の胸をラムザに押し付け、硬くなった乳首を左手の指で弄びつつ、右手で激しく秘所を擦る。
「はぁぁ…はぁぁ…あっ!はあっ!…」
じゅるりという音と同時に、愛液が自分の太腿を伝っていくのが分かった。
さらに両手の動きを早めていくと、今までの快感とは違う“何か”が自分に訪れようとしているのを感じた。
「やっ!やっ…だめぇっ!!いやぁぁぁっっっっっ!!!」
アグリアスは人生で初めての絶頂に達した。自分の体が中に浮いているのではないかという感覚を味わいながら、少しの間全身が硬直した。
その後しばらくは自分の呼吸が収まるのを待ちながら、快感の余韻に浸っていた。
「ラムザ……………はぁー、はぁー………」
いつの間にかラムザは寝言を言うのをやめており、すぅすぅと静かに深い寝息を立てていた。
アグリアスは、自分がかなり大きな声を出したにも関わらずラムザが目を覚まさなかったことに少しホッとしたが、同時に物足りなさを感じていた。
先程まで自分の耳に降り注いでいた快楽の雨を、また浴びたいと欲していた。
しかしラムザは一層深い眠りに落ちたと見え、寝言を言いそうな気配は全くなかった。
もはや冷静な思考力を失っていたアグリアスの頭には、自分の欲求を満たすためのある手段が浮かんだ。
「ラムザの……手…………」
それがどれほど卑しい事であるかを認識することもなく、アグリアスはその考えを実行に移した。
アグリアスの手は自然とラムザの手をつかんでいた。
その手を自分の股間部に持っていき、ラムザの指先を自分の指先に重ねるようにして秘部をこする。
「ひんっ……あっ!あああっ!」
すさまじい快感が再びアグリアスを襲った。ラムザの指に刺激された自分の陰核は、かつてない刺激を脳へと送った。
ラムザが目覚めるかもしれないという恐怖でさえ、もはやアグリアスにとっては快感に感じられた。
そのままラムザの指を使った摩擦を続ける内、ある衝動がアグリアスの中に自然と生まれていた。
「ラムザの指、入れたい………中に………」
言うや否や、ラムザの人差し指と中指の二本を一気に自分の蜜壷に挿入した。
「痛っ………!!」
じゅっという音が鳴ると同時に、ヒリつくような痛みが股間から脳まで走った。
しかしアグリアスは躊躇することなくそのままラムザの手を掴み、蜜壷の中をこすり始めた。
「んんん……あっ!!あっ!あっ!あっ!」
痛みの中に、徐々に今までとは次元の異なる快感が混ざっていくのを感じた。指の出し入れに合わせて、淫猥な声が漏れていく。
「あっ!あっ!んあっ………き、気持ちいい………」
アグリアスの肉襞がラムザの指を締め付けていく。
痛みなど問題にならないくらいの快感がアグリアスを満たしていた。
「は……あんっ!あんっ!………」
往復運動のスピードを上げていくと、再び絶頂の感覚がアグリアスを襲った。
「や……また…あっ!あっ!あぁっ!!……ラムザ!!ラムザぁぁぁ!!!!!」
結局その後もう一度自慰をして三回目の絶頂を迎えた直後、アグリアスは気絶するように眠りに落ちた。
強い雨が降り続いていたが空は白みがかってきていた。
二人の吐息の音と雨音とが、安宿の部屋の中に響いていた。
外では雨の降り続く中、ラムザはベッドの上で目を覚ました。
どれくらい眠っていたのだろう?、もう昼頃だろうか?、などと考えながら、ふわあーっと大きく欠伸をした。
その時ラムザは気づいた。何か柔らかくて暖かいものが自分の左半身に覆いかぶさっている。
次の瞬間、左を向いたラムザの目に、アグリアスの顔が飛び込んできた。
「わあっっっっっ!!!!!」
言うや否や勢いよく飛びのいたラムザは、勢いあまってベッドから落ちた。
その声と大きな音に、隣で寝ていたアグリアスも目を覚ました。
アグリアスも飛び起きるように体を起こし、裸で目をパチパチとさせているラムザの方を見た。
「ラ、ラムザ!!!!」
「アグリアスさん!!あ、ああの…僕………」
その時、ラムザはアグリアスの座っているあたりのシーツに赤いシミがあるのに気づいた。
ラムザの視線を追って、アグリアスもすぐそのシミに気づいた。
昨晩、指二本とはいえかなり激しくこすったために処女膜が傷ついたのであろう。
「ラムザ!!これは…………その……」
「すいません!!アグリアスさん!!!!」
アグリアスが釈明の言葉を言いあぐねていると、ラムザが急にそういって床に土下座した。
「すいません!…僕は、僕は大変なことを…………」
ラムザはそう言うと、土下座したまま沈黙してしまった。ぐすっぐすっと鼻をすする音が聞こえてきた。
ひどい勘違いをし、土下座して泣いているラムザを見て、アグリアスは思わず言ってしまった。
「ち、違うのだ!!これは全て私がやったことなのだ!!夜、お前が寝ている間に!」
「え………………??」
涙を手で拭いながら頭を上げたラムザの眼前には、真っ赤な顔で目に涙をため、今にも泣き出さんばかりのアグリアスがいた。
「わ、私は……ひっぐ……………最低の……ひっぐ……女だ……すまぬ………ひっ……」
言葉を発するアグリアスの目からは大粒の涙が次々にこぼれ落ちていた。
アグリアスの言葉と態度に全てを察したラムザは、ゆっくりとベッドの上のアグリアスに近寄り、抱きしめた。
「ラム……むっっ!!」
言葉を発しようとラムザの顔を見上げたアグリアスの口は、ラムザの唇によって塞がれた。
急に唇を奪われて面食らったアグリアスであったが、目を閉じ、そのままラムザに身を委ねた。
「ん………ん……………」
ラムザの舌がアグリアスの口の中に侵入する。
少し驚きつつもアグリアスはそれを受け入れ、自分の舌も動かし絡ませる。
二人はぴちゃぴちゃと音を立てながらお互いを貪りあった。
「ラ、ラムザ…私は―――」
あまりの快感にたまらずアグリアスは口を離した。一瞬、二人の唇の間に唾液の糸が架かって消えた。
「いいんです………僕の方こそ、迷惑掛けてしまって……」
「体の調子はどうだ?傷は痛まぬか?」
「もう大丈夫です………傷の方はまだ少し痛みますけど…手当て、ありがとうございます。」
「いや……それより、私はお前にあんな…」
「いいんです!そんなことより、………もう一度、今度は僕も起きてるときに……いいですか?」
「な!!!!!?わ、私は―――お前さえ嫌でないなら……」
「い、嫌だなんてそんな…僕は……アグリアスさんを愛しているんです!」
「私だって、お前を愛している!!」
言うなり、二人は再び深く濃厚なキスを始め、そのままベッドの上に倒れこんだ。
アグリアスの目からはまた涙がこぼれ落ちていたが、今度の涙は嬉びから来るものであった。
ラムザは充分にアグリアスの唇を貪った後、舌と唇でゆっくりとアグリアスの体を首筋、乳房の順に蹂躙していく。
「あ、んっ!!や……んっん………」
ラムザはそのままアグリアスの秘部まで舐め尽くそうと、顔を股間部に近づけた。
しかしそこは既にアグリアスの愛液によって浸されており、豊富な愛液がシーツの上に滴り落ちていた。
もはやラムザも自分の猛りを抑える限界に達していた。
「アグリアスさん、もう僕………」
言いながらラムザは限界まで怒張した自分のモノをアグリアスの蜜壷の口に宛がった。
アグリアスは戦慄した。
「ちょ、ちょっと待て……」
――男女の間の事に疎かったアグリアスは、しばしば部下の女騎士二人にそういった事に関する無知さをからかわれていた。
そのため、夜の営みについての基本的な知識は一応持っていたつもりだった。
ラムザが今からしようとしている事も、それらの知識からある程度理解していた。
しかしその行為を初めて行うアグリアスにとっては、今ラムザがその股間に猛らせているものはあまりに大きく、自分の中にはとうてい収まらないように感じられたのであった。
実際、ラムザの物は昨晩見たときと比べて二倍以上の大きさになっており、明らかに硬化していた。
「そ、それは、本当にここに入るのか!?」
「え……で、でも昨日だって………」
「き、昨日の夜はおまえの指を二本ほど拝借しただけだ!!!!」
またもや顔を真っ赤にして言うアグリアスを見て、ラムザはやっと昨晩起こったことを正確に理解した。
少し考えて、ラムザは真剣な顔つきでアグリアスの瞳を見つめた。
「な、何だ…」
恥ずかしそうに目を逸らしてアグリアスが言った。
「じゃあこれがアグリアスさんの初めてなんですね。できる限り痛くないようにしますけど、僕も初めてなんで……すいません……」
そう言いながらラムザはアグリアスの背中に手を回し、宛がった自分の物をゆっくりと押し込んでいった。
「だ、だからちょっと待………」
焦ってラムザに視線を戻し静止の言葉を発した。
しかしその言葉を言い終えない内に、アグリアスの下腹部には恐ろしいほどの激痛が走った。
「ひあっっっっっぐぅぅっ……」
「すいません、でも、力を抜いてください!」
「痛っっっ!!やめっっ………んっ」
再びアグリアスの秘所からは血が滴り落ちていた。
ラムザの物はもうほとんどアグリアスの腟に飲み込まれていたが、それから逃げるかのようにアグリアスは自分の頭の方向に這って行こうとした。
もぞもぞと動くアグリアスと、それを背中に回した腕で抱きしめ静止しようとするラムザ。
「ぐぅっ…むっ……んん―――」
「ま、待ってくださいアグリアスさん…そんなに動かれたら……ああっ!!」
期せずして生じた腟内の動きに、ラムザはいとも簡単に頂点に達してしまった。
アグリアスの腟内に脈打つようにラムザの精液が注がれていく。
アグリアスはラムザの陰茎から熱い何かが放たれているのを感じていた。
「んん……」
激しい痛みは下腹部全体に重く響いていた。
ラムザはしばらく射精の余韻に浸っていたが、少し自分の物が硬さを失い始めると、ゆっくり引き抜いていった。
「は、あああ、んっ!!!」
愛液と血と精液とにまみれた肉棒が外界に出た。
アグリアスは、まるで自分の内臓を引き抜かれていくかのような感覚を覚えた。
「す、すいませんアグリアスさん……痛かったですよね…?しかも腟内に――」
「………いや、気にするな…。それより……」
「は、はい?」
「お前のそれはまだ満足していないようだが」
「え!?」
つい先程達したばかりだというのに、ラムザの陰茎は再び怒張していた。
「す、すいません!!」
アグリアスの下腹部には今だに何かが入っているような感覚と、鈍い痛みがあった。
その痛みを我慢しながら、伏目がちに小さな声で言葉を発した。
「………もいいぞ」
「はい??」
「…もう一回してもいいぞと言っている!!」
恥ずかしさのあまり、アグリアスは一際大きな声で繰り返した。
普段では到底考えられないアグリアスのこの発言に、ラムザは一瞬戸惑った。
しかし自分の中にある熱い衝動は、目の前にいるこの女性の中に注ぎこまなければ収まりそうもなかった。
「いいんですね……」
アグリアスの膝裏を抱えるようにして、ラムザはアグリアスの上に覆いかぶさった。
痛みに対する恐怖はあったが、アグリアスは無言で頷いた。
ラムザはアグリアスを抱きしめ、唇を重ねた。
「むぅ…ん…んん…」
アグリアスは舌を絡ませる甘い快感を味わっていたが、その最中、再び下腹部から痛みが脳天へ突き抜けた。
ラムザの怒張が再びアグリアスを貫いていた。
「んんん…んふぅぅ……」
痛みを紛らわすかのように、濃厚なキスに没頭しようとした。
しかし先程とは違い、ラムザは腰を動かしゆっくりと往復運動を始めていた。
「あんっ!!くぅ……あっ…内臓が……えぐれる……んっ…」
相変わらず激しい痛みがアグリアスを襲っていたが、奥の方を突かれる度に、熱い感覚が体中に拡がっていく感じがした。
「あ、アグリアスさんの中、すごい………ヌルヌルしてる。」
「ラムザ…んっ……私も、気持ちいい……」
目に溢れんばかりの涙をためながらアグリアスは言った。
その言葉に一層興奮したラムザは、腰を振る速度を早めていく。
「あんっ!あんっ!…やっ…だめっ!!…んっ!あんっ!」
ラムザのピストン運動はさらに勢いを増していった。
ジュプッ、ジュプッと小気味のいい音が結合部から漏れ、ベッドはぎしぎしと軋んでいた。
二人の息遣いは荒く、体の動きに合わせて汗が飛び散っていた。
「ラムザ、私は…もう……おかしくっ……んん」
「ぼ、僕ももう………ダメです……うあああっアグリアスさんっ!!!!」
「だめっ……やっ……んっ……………………」
二人は同時に達しながら強く抱き合った。
再び放たれたラムザの大量の精液は、一滴残らず全てアグリアスの腟内に注がれた。
熱い何かが自分の中に注がれていくのを感じながら、アグリアスの意識は途切れた。
「大丈夫ですか……アグリアスさん…」
ラムザの腕に抱かれて、アグリアスは目を覚ました。
外はまた夜の闇に包まれようとしていた。だが、あれだけ降り続いていた雨はもう止んでいた。
「ラムザ…」
「アグリアスさん、なかなか目を覚まさないから心配しましたよ。」
「お前が激しすぎるのだ、お前が…」
「はは…すいません。」
苦笑いしながらラムザは言った。
「皆を探さねばな………心配しているだろう…」
「そうですね………でも…」
「何だ?」
「もう少し、このままでいていいですか?」
アグリアスは黙って頷いた。
ふいにラムザの脚の包帯が目に入り、昨晩からの自分の気持ちの変遷が再び頭によみがえった。
だが、そんな事はもうどうでもよくなっていた。
いま自分の中にあるのは、どんな事があってもラムザとずっと一緒にいたいという気持ちだけだった。
ただラムザの温もりを感じつつ、アグリアスは再び目を閉じた。
終